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“日本一小さな村役場”で壮絶なパワハラ、「加害者は複数名いる」実態と対策方法

ビジネス

パワハラにあたる行為とは?

舟橋村役場

 パワハラは知識がなければ、被害者にも加害者にもなり得る。厚生労働省では、パワハラを6つに分類している(パワハラ 6類型)。

(1)身体的な攻撃(暴行・傷害)
(2)精神的な攻撃(脅迫・名誉棄損・侮辱・ひどい暴言)
(3)人間関係からの切り離し(隔離・仲間外し・無視)
(4)過大な要求
(5)過小な要求
(6)個の侵害(私的なことに過度に立ち入ること)

 殴る蹴る、ものを投げるなどの暴力や罵倒だけがパワハラではない。必要以上に長時間だったり同僚の前で叱責して相手の尊厳を傷つけること、到底できない量の仕事を与えるのも、逆に仕事を不当に与えないのもパワハラだ。また業務に関係のないプライベートに立ち入るのもパワハラに当たるので注意が必要だ。

労働基準監督署に相談することも選択に

佐久間寿美江

佐久間寿美江さん。キャリアコンサルタント、産業カウンセラー

 舟橋村役場の職員は、上記のようなパワハラに10年以上も耐えてこなければならなかった。その理由のひとつは、古越邦夫元村長など上司の非対応だ。相談しても「あいつがそんなことをするはずがない」などと言われてもみ消されてしまったと役場元職員は訴える。前出の佐久間さんは、

「パワハラを放置すると法的責任が生じます。労働契約法第5条に職場環境配慮義務というのがあって、会社には社員が安全、快適な環境で働けるように配慮する義務があるんです。したがって、会社がパワハラを放置するなど適切な対応を怠れば、この義務に違反するものとして、民法第415条の債務不履行、民法第709条の不法行為に該当することになります。

 また、会社は、自社の社員によるパワハラ(不法行為)について、民法第715条の使用者責任を負うこともあります。そのため、これらに該当した場合、被害者へ損害賠償責任(義務)などを負うことになるのです」

 という。それでも舟橋村役場のように内部で解決が望めない場合は、労働基準監督署に相談するとよい。「もしくは都道府県の労働局の雇用・均等室でも対応してくれるはず」(佐久間さん)とも。

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