正気の沙汰とは思えない「原発再稼働」。再エネよりも火力発電を選ぶべき理由
CO2の回収・貯留も進化した火力発電
また、太陽光発電や風力発電の発電量が安定しないという欠点もある。電力は送電線が長くなればなるほど途中で減衰してしまうので、発電所はなるべく電力消費地の近くに建てたほうが効率がいい。その点、火力発電は原子力やメガソーラーや風力と違って立地条件を選ばないので、消費地の近くに建てることができ、その分コストパフォーマンスがいい。
多くの人が問題にするCO2の排出に関しては、人為的地球温暖化説はウソだと思っている私としてはたいした問題ではないのだが、仮にそこに問題があるとしても、最近の火力発電は見違えるように進歩して、CCS(Carbon dioxide Capture andStorage)にも実用化のめどが立ってきている。
CCSとはCO2の回収・貯留のことで、火力発電所から排出されるCO2をトラップして地下に貯留し、大気中に放出されないようにすることだ。この技術が進歩して安価に行えるようになれば、人為的地球温暖化を信じる人たちも、石炭火力発電を忌避する理由はなくなるだろうから、原子力発電をやめて、火力発電に全面的に切り替えることが可能になる。
<TEXT/生物学者 池田清彦>