ハワイ×日本の二拠点生活が激変。“実業家のカリスマ”が地方に注目するワケ
「点」の活動が線につながっている
水野:幅広い活動をされている直之さんにとって、「本業」って何になるのでしょう?
本田:本業というものは、ないですね。ベンチャー育成を中心に、幅広くやっています。創業したての企業に投資する「エンジェル投資家」というよりは、もう少しベンチャーに入り込んだ形でやっています。その他には、外資系カード会社やシャンパンや焼酎などのマーケティングアドバイザーや企業の取締役などもやってきましたが、レストランの活動なども併せて、点と点がつながるように活動が広がっていっています。
水野:具体的にはどんな広がりを見せているのでしょうか?
本田:コンサルティングの領域でいえば、現在はM&Aコンサルティングも行っています。また、LVMHグループのプレステージシャンパーニュチームのアドバイザーも拝命しています。ここまでやってきたさまざまな「点」の活動が線につながっていると感じています。
作家活動の原点は「アメリカ留学」
水野:たくさんのご著書がありますが、本を出したきっかけは?
本田:小さな頃から本好きだったということもありますが、1994~1996年のアメリカのビジネススクールへの留学時代に本を書きたいという気持ちは固まっていました。帰国後、「本を出したいな」という気持ちを行動に移し、さまざまな編集者さんを人づてで紹介してもらったなかで、東洋経済新聞社の編集者と意気投合。そこから本づくりの情報交換が始まったんです。
洋書で面白そうな本をピックアップして編集者とやりとりしていたのですが、そのうち『パーソナルブランディング』という本が面白そうだという話になり、2005年6月、私が監訳した形で『パーソナルブランディング』を出版。それが初めての本になりました。
水野:最初は監訳本だったのですね。その後、2006年に発売しベストセラーになった『レバレッジ・リーディング』をはじめ、ご著書には「レバレッジ」のキーワードが入るようになりました。この「レバレッジ」の概念はどこからきたのですか?
本田:「レバレッジ」という言葉は、アメリカ留学中に当たり前に飛び交っていた言葉でした。日本では、金融寄りの言葉であると狭く捉えられていますが、実際はそうではありません。日常のさまざまな場面に当てはまります。
単純にレバレッジとは、小さなアクションで大きな効果を得ることを指します。どんな物事においても、「どこに注力しますか?」というのが一番大事なこと。いわば努力の置き場をどこにするか、それが「レバレッジ」の概念です。