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なぜ信じてしまう?旧統一教会信者の心理を、弁護士に聞いた

ビジネス

日本はカルトに寛容

国会議事堂

――これほど問題が認められている宗教が、法人格を失わないのは不思議です。

阿部:統一教会はオウム真理教と並んで国内におけるカルトの二大巨塔というべき存在です。オウムは殺人を犯すなど反社会型、統一教会は金銭収奪型ともいうべきものでタイプは違いますが。

 もちろん、ある団体を「カルト」と呼ぶことについては十分に慎重な配慮が必要で、軽々とそのように呼んではいけないと思いますが、これまで生じさせた被害の甚大さを考えたら、統一教会については言い方の配慮や躊躇をする必要は全くないと思います。

 統一教会のようなカルト団体が根絶やしにならないことからもわかりますが、日本はカルト対策が脆弱というかに非情に寛容な社会なんです。法改正や行政立法の問題もあると思いますが、若者向けの宗教教育も必要ですし、やめたかたや家族の支援も必要です。我々としては、少しでも日本のカルト対策が今回の事件を機に進んでくれればと願っています。

<取材・文/熊田リキ>

【阿部克臣(あべ・かつおみ)】
山形県鶴岡市生まれ。早稲田大学卒業後、2009年第二東京弁護士会に登録。リンク総合法律事務所所属。一般民事事件、家事事件、刑事事件に加え、悪徳商法等の消費者被害事件を多く取り扱い、多数の消費者被害弁護団に所属している。最近では、成年後見、遺言等の高齢者事件も多い。弁護士会では業務妨害を受けた弁護士を支援する活動も長年行っている。主な所属団体は、全国霊感商法対策弁護士連絡会、全国先物取引被害全国研究会など多数

各種編集を経てフリーライターに。生きにくい人たちが少しでも減ることを願い、社会問題を取り上げた記事をメインに執筆している

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