ほとんど影響ないのに…飛行機で「スマホを機内モード」にしなければいけないワケ
飛行機ほど、好奇心をかき立てられる乗り物はない。何度も乗っていると、つい見過ごしがちになるが、一歩踏み込んで観察すると、飛行機が謎や不思議の宝庫だということに気づくだろう。あの大きな機体には、数々の疑問が詰め込まれているのである。
なぜ飛行機はいつも1万メートルの高さで飛んでいるのか? 出発時の燃料をあえて満タンにしない理由は? 飛行機にまつわる謎や不思議を網羅した『最新版 飛行機に乗るのがおもしろくなる本』(著・エアライン研究会)より、「スマホを機内モード」にしなければいけない理由などを紹介する。
エコノミー症候群は、ファーストクラスでも起こる!
「ロングフライト血栓症」。何やら聞きなれない言葉だが、以前の名称を「エコノミークラス症候群」といえばおわかりだろうか。これは長い時間、足を動かさず座り続けると起こる症状で、重症の場合は、死に至ってしまう場合もある。
当初は座席スペースの狭いエコノミークラスの乗客に多く見られたため「エコノミークラス症候群」と呼ばれていた。ただし今では、ビジネス、ファーストクラスなど、座席のスペースに関係なく起こることがわかり「ロングフライト血栓症」と呼ばれている。
その原因は長時間、同じ姿勢で座り続けるため、ひざ裏の静脈の血液が流れにくくなり、血の塊ができてしまうためだ。この状態で席を立つと血の塊が心臓や肺に移動して、呼吸困難などを引き起こす原因になる。
手足を動かすなど適度に運動するといい
なお、この病気の症状は忘れた頃にやってくる場合がある。フライトから数日たって倒れたりする人もいるので気をつけたい。目安はフライト後1週間まで。その間に足のむくみなどを感じたら、この病気を疑って病院に行くのがおすすめだ。
予防策としては、ゆったりとした服を着ることと搭乗前に軽めに食事をすること。また、フライト中は空気が乾燥している。そのためじっと座っていても体内の水分が放出されるので、こまめに水分補給をして、手足を動かすなど適度に運動するといい。とくに日本からアメリカやヨーロッパに行くときなど6時間以上のフライトのときには要注意だ。
また、もちろん飛行機のフライトだけにかぎった病気ではない。それ以外にも起こる病気のため、医学的には「肺血栓塞栓症」とも呼ばれる。