女性の「子供ほしくない」は男性の2倍!識者が見た、若い世代の結婚観
「あまり子供はほしくない」女性は男性の倍
結婚に対する価値観は、時代とともに変化していることがわかる。この点についても、高橋氏に尋ねてみた。
「第15回出生動向基本調査(2015年)では『一生結婚するつもりはない』と答えた18~34歳の未婚者の割合は微増してきていましたが、そこまで顕著な変化ではありませんでした。
それに対して、今回のマイナビの調査では、『育休を取って積極的に子育てしたい』と答えた女性の割合が低下する一方で、『今のところあまり子供はほしくない』と答えた女性が14%に上り、男性の倍もいるというのは、衝撃的な数字だと思います。
もう少ししっかりデータが揃わないと断言することは難しいですが、『結婚したくない』『子供はほしくない』と“明言する人が増える”のは、Z世代の特徴として、今後顕著になってくるのかもしれません」
女性の意識に変化が見えた結果に
前出のマイナビのアンケートでは、2023年卒の大学生・大学院生を対象にしているが、なぜ若者の結婚観は変化しているのだろうか。「文系理系に関係なく女性の14%が『今のところあまり子どもは欲しくない』と答えており、男性の2倍近い数字になっていることを鑑みると、女性の意識の変化があるように見えます」と、高橋氏は述べる。
「かつて女性の契約社員化が進んだ2000年代初頭や、2009年のリーマンショックの後は、経済不安から女性の結婚志向が高まりました。『婚活』が流行語になりましたね。しかし、今回は『結婚しないで自分の収入のみで生活するのが望ましい』と考える人が増えたという状況です。
直近の要因として、2023年卒の新卒採用が売り手市場になっていることは影響しているでしょう。『自分の収入で生計を立てていくことができそう』という見通しを持つことができている。でも、仕事を続けつつ結婚して子育てもというライフスタイルを思い描くことができない……。そういった状況を反映していると考えられます。
『この10年で育休や時短勤務などの制度が整ってきた』とは言われているものの、実際にはまださまざまなトラブルが発生しています。例えば、『産休・育休を取ったり、時短勤務を申請したりしたが、その人の代替の人材を予定通り確保できずに同僚の負担が増えた』という話はいまだにあります。“人材を確保できない”という問題はマネージメント上の不備であり、管理者の責任なのですが」