流通額5000億円!コンビニで買える「例のカード」人気の秘訣と便利な使い方
販路を広げる要因、3つの「問題解決」
レジを改修してインコムと通信ができる仕組みを導入するには、莫大な費用がかかる。それでも販売店側に導入を決意させることができたのは、リスクを上回るメリットや特徴があったからではないだろうか。
「レジを通すまでは価値が生まれないので、商品を置いていてもただの紙製カードです。そのため販売店にとっては、在庫リスクが軽減されるというメリットがある。さらに先ほども少しお話したように、商品管理が簡易になるだけでなく万引被害の抑制にもなります」
販売店が悩む「在庫リスク」「万引き」「商品管理の手間」という3つの大きな問題を解決してくれるインコムの技術を用いた商品の魅力は大きかったようだ。また、導入店舗が増えると、「市場の広がりに伴い、さまざまな商品展開ができる」こともウリに、市場を拡大していった。
「なかなかできない幸運な経験ができた」と言う藤川氏だが、心身ともに厳しいことも多かったようだ。
仕事を辞めなくてよかったと実感
「10~20人だった会社が、シェアが大きくなると、販売店からのリクエストや要求もどんどん大きくなります。でも、社内の態勢はなかなかそこに追いつかない。そういった状況に苦しんで辞めていった営業マンも少なくありません。ただ、少し落ち着いていまのフェーズになると、そういう環境に身を置けたことで成長できたと思いますし、仕事を辞めなくてよかったとも思っています」
さらに今度は売上に伴い、販売店からの要求も高くなり、ひとつのミスやトラブルが命取りとなる事態になっていった。
「POSAカードはレジを通すまでは、ただの紙製カードですが、商品ではあることに変わりはありません。過去には、販売店さんにカードを納入できていなかったり、販売いただかないといけないものが案内できていなかったりしたこともあったようです。
弊社のインコムを用いた技術は現在、日本で約6万5000店舗に導入されています。ひとつの欠品や商品供給の遅れ、販売に関してのトラブルが起きたときに影響が加速度的に大きくなりますので、常に危機感を持って行動しています」