じゃがいも不足が直撃「スナックメーカー」3社。海外に熱い視線を送る今
強気の売上高予想は果たして…
2022/3期の海外事業については前年度に起きていた台湾におけるじゃがいも不足が解消したほか、タイでは現地飲料メーカーとの提携で販路拡大に成功し、前年以上の成績を確保しました。海外事業全体では9300万円の利益をあげており、黒字化に成功しています。
推移を改めてみると湖池屋は近年、国内におけるポテトチップスの売上が横ばい、またはじゃがいもの不作で落ち込んでいるなか、高付加価値商品の投入や海外進出で攻勢をかけようとしていることが分かります。
今後については、2023/3期の売上高は410億円と強気の予想を立てています。国内では高付加価値商品の拡販を続け、海外事業では現地向けの新ブランドを投入することで規模拡大に努めるようです。
各社ともに海外事業を基盤とする狙いが
カルビー、亀田製菓、湖池屋とスナック菓子メーカー3社の業績を見ていきましたが、いずれも国内事業は頭打ちを迎えようとしており、原料費高騰で利益も伸び悩んでいることが分かります。
こうした状況下で3社とも海外進出を続けていますが、これは国内事業に置き換わる経営基盤を立てるためといえるでしょう。進出にあたっては、新会社設立や現地菓子メーカーの子会社化などさまざまな手法が確認できます。
商品面に関して、中華圏・東南アジア向けは国内向けに提供している既存ブランド、「日本」をイメージした新商品が多く見られる一方、インド・欧米向けは現地用にアレンジした商品が多く見られる印象です。
<TEXT/経済ライター 山口伸 編集/ヤナカリュウイチ(@ia_tqw)>