猛暑で日傘の売れ行きが5倍に。「高機能なおすすめ5選」をバイヤーに聞いた
光を遮るコーティングの有無は大きい
日傘を選ぶ際に重視すべきポイントは何なのか。
「『傘の裏地に光を遮るコーティングがされているかどうか』です。日傘は、雨傘の生地にUVカット加工をしただけで光を通すタイプ(一般的な雨傘のほとんどがこれに該当する)と、傘の裏側に紫外線と可視光線を遮るコーティングを施したタイプ(一般的にいう日傘のほとんどがこれに該当する)があります。裏側にコーティングをすることで、UVカット率や遮光率が高い傘に仕上がるため、特に注目すべきポイントです。
また、紫外線をどれほど遮断するかを表す数値『UVカット率』も重要です。日傘を紫外線対策(日焼け対策)として用いる場合には重視します。光(可視光線)を遮る度合いを表す数値『遮光率』は高いほど、涼しく感じやすくなります。特に遮光率99.99%以上と書かれた『一級遮光』の日傘は効果が高いです。
大きさで悩まれるお客様も多いです。その際は、傘の中心から生地の先端までを通る骨の長さ『親骨』を目安にしていただければと思います。それぞれ簡単に説明しますと、下記のようになります。用途を踏まえたうえで長さ・大きさを選ぶと良いでしょう」
・親骨50cm:女性向け。携帯性重視。
・親骨55cm:ユニセックス。雨傘としても使う女性にも。
・親骨60cm:男性向け。しっかりと日を避けたい方や雨傘としても使用したいならこれ。
傘の色はあまり関係ない
他には、傘の色も重要なのではないか。東急ハンズ佐藤氏は「傘の裏側にコーティング加工がない場合に限り、日傘表面が紫外線を吸収しやすい黒色の傘を選ぶと良いです」としつつも、「いわゆる日傘として展開されている傘は、裏側にコーティング加工がされている場合がほとんどです」と解説する。
「裏地コーティングがされている場合、色ではなくコーティングの力によって光と紫外線を遮るため、実は傘表面の色は紫外線カットや遮光具合に影響はあまりありません。また、裏地についてもコーティング加工がある傘であれば、お好みのカラーをお選びいただいても問題ありません。コーティングの技術はかなり向上しており、日傘の色の議論をする時代はずいぶんと前に終わっているのが現状です」
最後に「紫外線対策として日傘を使う際は傘を深くさしたほうが、空気中で乱反射する紫外線を遮ることに繋がるので有効です。一方、暑さ対策として使用する際は、傘の裏側に熱がこもりやすくなるため、頭の間にほどよい隙間を作ることが大事です」とさし方を教えてくれた。
チェック項目は予想以上に多く、なかなか選ぶのが難儀しそうだ。しかし、「何でもいいや」と思う場合、佐藤氏が紹介した、前出のおすすめ5商品から自分好みの日傘を見つけていくと良いだろう。