焼肉をもっと美味しく食べるために、プロが教える「焼き方のコツ」
3)肉は置いてあった場所ではなく、その隣にちょうつがいのように返す
前項の「肉を置いていいのは、プレート面積全体の3分の1まで」というのは裏返すスペースを確保する狙いがある。肉が熱せられるということはプレートの温度が肉に移動しているということだ。肉が接する部分のプレートは肉に熱を奪われている。即焼き目をつけるなら、熱が十分蓄えられている場所に返したほうがいい。
だから肉はちょうつがいのドアのように、温度の高い隣の空いたスペースへと返す。高温で表と裏に香ばしい焼き目をつけ、ミディアムレアの内部からあふれる肉汁ごと楽しみたい。何げない返しの動作にも、上手に焼くための意図が込められている。
<TEXT/ライター・フードアクティビスト 松浦達也>