食べすぎたら消化不良になるかも

　こちらも「油もの」を「さっぱりさせる」組み合わせと考えれば、うなぎ×梅干しと同じく味としての相性もそこまで悪くないように感じる。しかし、スイカと天ぷらの組み合わせは「栄養的な相性自体は問題ないものの、食べ合わせがいいとは言えない」という。

「油分が多く消化の悪い天ぷらと、水分が多いスイカを一緒に食べると、胃液がすいかの水分で薄まり、消化機能が低下。天ぷらの消化不良を起こすために相性が悪いとされます。もともと消化不良を起こしやすい方や、スイカを過剰に食べた場合には消化不良が生じる可能性があります。ただし、スイカをデザート程度に食べるのであれば問題はありません」

　確かに相性がいいとは言えなさそうだが、多少スイカを食べる程度なら大丈夫とのこと。過剰に食べ合わせを避ける必要はなさそうだ。

ご飯×納豆の組み合わせは意外な悪影響が…

　ここまで見てきた2品の食べ合わせは、味はともかく栄養的な相性は問題なかった。では、逆に栄養的な相性に問題がある食べ合わせには、どんなものがあるのか。植村さんに聞いてみると、「皆さんがつい食べ合わせがちな、『炊き立てご飯と納豆』の組み合わせは相性がよくない」という衝撃の回答が。

「納豆には血栓を防止する効果があるとされてる『ナットウキナーゼ』という成分が含まれています。しかし、ナットウキナーゼは高温に弱い性質があり、炊き立てご飯の温度で不活性化してしまうためです」

　もちろん、炊き立てご飯と納豆を食べたからといって、健康に悪影響が出るわけではない。しかし、せっかくのナットウキナーゼを無駄にしてしまうのがもったいないように感じられるのも事実。味の相性が良いからといって栄養的な相性が良いとは限らないというのは、納豆好きの人にとってはなんとも悩ましいところだろう。

＜取材・文／齊藤颯人　編集／ヤナカリュウイチ（@ia_tqw）＞

【植村瑠美】
「疲れやすい」「集中力がない」というビジネスマンの悩みを5000人の食事指導から生み出した方法で解決する専門家。栄養ドリンクやサプリメントに手を伸ばしがちな人に対し、コンビニ食や外食中心でも取り組める食事の選び方をライフスタイルやスケジュールに合わせて提案する個別指導および企業研修を行っている
公式サイト：株式会社健康支援BonAppetit