<漫画>「レズ風俗のハードルを下げたい」有名経営者の曲げられない信念
女性キャストから女性利用客への、性的サービスを提供するレズ風俗。なかでも15年の歴史を持つのが、大ヒットしたコミックエッセイ『さびしすぎてレズ風俗に行きましたレポ』(イースト・プレス)にも登場した「レズっ娘グループ」だ。
女性同士の性的な行為が楽しめるサービスを、大阪と東京の「レズっ娘クラブ」、姉妹店「レズ鑑賞クラブティアラ」の計4店舗で提供している同グループ。高校生以外の満18歳以上であれば、お客様の年齢、性別、国籍、見た目問わず誰でも利用できる。セクシュアリティも同性愛者に限定していないので、ヘテロセクシュアル、バイセクシュアルの女性の利用も多いそうだ。
同グループ代表で、現代のレズ風俗シーンのパイオニア御坊さん(@obouchama)。経営のみならず、現在「黒蜜」で連載中の『レズっ娘クラブ ONE TiME ONLY』(白泉社)の監修や、オンラインイベントの開催など幅広く活躍している。
インタビュー前編では経営哲学や採用基準について語ってもらった。後半となる今回では、コロナ禍での取り組みや今後の展望について話を聞いた。また、インタビューと共に、『レズっ娘クラブ ONE TiME ONLY』の第1話の中盤から紹介する。ぜひ最後まで目を通していただきたい。
【マンガ】⇒『レズっ娘クラブ ONE TiME ONLY』の第1話を最初から読む
「発信すること」でハードルを下げたい
――メディア作品の監修やイベントの開催など多角的にレズ風俗について発信するのはなぜですか?
御坊:レズ風俗の業界全体というよりも、レズっ娘グループが安心してご利用できる場だということを、いろいろな方向からさまざまな表現で発信していくことによって、女性がレズ風俗を利用したり性的なことを楽しんだりするハードルが下がればいいなと思っています。
特に、まだ当店をご利用いただいていない方に届けたいですね。いわゆるレズ風俗ブームから便乗店も増え、なかにはレズ風俗を騙る悪質店も増えました。僕らからそうした注意喚起をしつづけないと、勇気を出して利用しようとした人が傷つくかもしれない。
今、原案・監修を担当している『レズっ娘クラブ ONE TiME ONLY』はレズ風俗漫画というより、レズっ娘クラブの漫画ですね。最初はほぼお任せしていたのですが、最近はプレイシーン以外はがっつりシナリオを作ってますし、僕もキャラクターとして登場してます(笑)。第4話は、実際に今もある悪質店が登場するので、ぜひご覧いただきたいです!
コロナ禍では大きな影響を受けた
――サービスの形式上、コロナ禍で厳しい状況に直面したこともあったのではないでしょうか?「レズっ娘クラブ」「ティアラ」ではどのようにコロナ禍に立ち向かっていったのでしょうか?
御坊:感染拡大の当初から、感染症対策についてはやりすぎかもと思うぐらい注力し、費用もかけてきました。前編の記事でお話しした、性感染症対策としての検査結果割引と同様、性感染症対策としての検査結果割引と同様、「新型コロナPCR検査割引」はいまでもつづけています。個人が気をつければいいという話ではなく、お店としていかにキャストの安全とお客様の安心を守るか。それが僕の1番のポリシーなので、曲げられなかったですね。
それでも、営業自粛要請やそれに伴う多数の予約キャンセルが発生し、大きな影響を受けました。お客様はキャストとお会いすることができない。キャストは営業自粛がつづくと、このお仕事をつづけられなくなってしまう。どうにか負のスパイラルを脱したい! と思案して、行きついた答えが、有料でメールのやりとりをできる新サービス「メッセージ+」でした。
1通1万円と決して安くはなかったのですが、最初の1か月で217件の依頼がありました。僕はお店を永く経営していくためには、お客様とキャスト、そしてお店の「三者の信頼関係」を築くことが不可欠だと感じて実践もしてきたつもりでしたが、その答えがここで出た、と感じましたね。
コロナ禍での救済企画としてはじめたサービスでしたが、好評につき常設となりました。はじめてご指名いただくキャストと実際に逢う前にやり取りされる方もいらっしゃいます。お客様にとってはキャストのことを知れるし、また、お互いの「したいこと」「したくないこと」「できないこと」を事前に共有して心の距離を縮めておく、というふうにご利用されている方もいます。