結婚前の同棲で発覚!見てはいけなかった原付の“ヘルメットボックス”の中身
原付のヘルメットボックスを開いたら…
そんなある日、大雨が降ります。その日は曽根さんが有休を取っていたこともあり、愁斗さんが車で出勤。曽根さんは、ふと、原付のヘルメットボックスを確認していなかったことに気づきます。外は、大雨。それでも、「確認しておきたい」という衝動が勝ったと言います。
「原付のヘルメットボックスを開けてヘルメットを取り出した瞬間、思わず目を疑いました。ヘルメットに圧し潰されるように置かれていたのは、過激なSM雑誌2冊だったのです。混乱しながらも、『SMって、S? M? どっち?』と両パターン想像もしました」
そして、友人に電話して即相談。けれどあまり深刻さが伝わっていないのか、「別にSMぐらいいいじゃん。付き合ってあげれば?」など、寛容な意見ばかりで相手にしてもらえません。けれど、そういった趣向のない曽根さんにとっては大問題です。
「見なかったことにしようとも考えましたが、愁斗の顔を見るたびに、両パターン想像してしまい、どちらであっても無理だという思いが強くなる一方でした。そして、我慢ができず、愁斗を問い詰めたのです」
開けてはいけないパンドラの箱
すると愁斗さんは「普通の行為では興奮しないため、風俗に通っていた」と、すんなり告白。「でも、できれば礼香とSMを楽しみたい」と言われます。しばらく考えた曽根さんですが、やはりこのまま付き合うのは無理だと考え、結婚を断念。
「SMには興味がないし、愁斗の風俗通いを許せるほど人間ができているわけでもない。愁斗の趣向を知らなければ、今頃は幸せな結婚生活を送っていたかもしれません。世の中には、開けてはいけないパンドラの箱もあると、身をもって体験しました」
そう語ってくれた曽根さんは、「しばらくは、恋愛したくない」そうです。好きな人のすべてを知ろうとすれば、知りたくないようなこともいっしょに見つけてしまうかもしれません。その覚悟がないのであれば、そっとしておくことも大切と言えるでしょう。
<TEXT/夏川夏実 イラスト/本田しずまる(@hondashizumaru)>