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<漫画>“ネガティブ報道”に切り込むコメンテーターが話題。常識を覆す「風刺漫画」とは

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「功労者の片割れ」としての喜び

反逆コメンテーターエンドウさん

『反逆コメンテーターエンドウさん』より

――当時、“ショートホラー”ジャンルを手掛ける漫画家の方は、他にはいらっしゃらなかったのですか?

洋介犬:実は、キャリアも年齢も先輩の中山昌亮さんが、秋田書店の雑誌「チャンピオンRED」で、『不安の種』というショートホラーを発表されたんですよ。これが、ほとんど同時期で。一度、ぶんか社の雑誌「ホラーM」という雑誌の企画で、中山さんと対談させていただいてその話になったんですが、お互いに「まぁ、そんなことはどっちでもいいよね~」って(笑)。

 意気投合して、お互いショートホラーを描く上で、万が一ネタがかぶったとしても文句を言わないっていう協定を結びました。

――お互いに、ショートホラー漫画の先駆者という認識で。

洋介犬:本人たちはそれほど意識していないんですよ。でも、編集者の方から話を聞くと、ホラージャンルでデビューする漫画家の人が「洋介犬さんの漫画に影響を受けてます」って言ってくれるらしいんです。それは、嬉しいですけどね。ショートホラー漫画ジャンルの功労者の片割れとしては(笑)。

 やっぱり、今の漫画業界では、より顕著になっているんですけど、当たらないって思われている作品がヒットするんですよ。僕の経験でも、スマッシュヒットを狙って描いたら、ドカンと思わぬ形で反響を得られたり。だから、そのパターンで世の中に受け入れられたジャンルかなって思いますね。

<取材・文 / 橋本未来 編集/ヤナカリュウイチ(@ia_tqw)>

【洋介犬(ようすけん)】
風刺&ホラー漫画家。兵庫県丹波市出身。商業誌のみならず、SNSでも舌鋒鋭い漫画を発表中。代表作は『外れたみんなの頭のネジ』『反逆コメンテーターエンドウさん』『ジゴサタ ~地獄の沙汰もお前しだい』『JC、殺人鬼やめました』など。稲川淳二氏公式推薦作家であり、怪談語り部としてメディア出演も。
Twitter:@yohsuken

反逆コメンテーターエンドウさん

反逆コメンテーターエンドウさん

昨今の歪な報道を、誰も言えなかった言葉で稲妻のように貫くコメンテーター・エンドウさん。これは「現代に、もしこんなコメンテーターがいたら」という物語である

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