元AKB48の29歳・起業家に聞いた「パワポも知らなかった」試行錯誤の日々
一般企業へのキャリアチェンジの難しさ
島田さんいわく、芸能界から一般企業に就職するのは想像以上に高いハードルがある。島田さんが営業職をしていた際、現役で芸能活動をしている後輩たちから「会社で働くってどういうものですか」と素朴な疑問をぶつけられた一方、「島田さんだからできるんですよね」と言われたこともあったという。
「私のような選択ができる環境にいる人は、芸能界では少ないのかもしれません。私は両親が自営業で兄がサラリーマンをしていることもあり、一般企業で働くということのギャップはそう感じませんでしたが、全員が全員そういうわけではありません。具体的に就職をどうするかは置いておいて、人生の選択肢を迫られたとき、相談できる先や選択肢、比較する対象が増えることは大事ですよね」
島田さんは「アイドルとして過ごしてきた年数より、どうしてもこれからの人生のほうが長く続いていくはず」と語る。
「アイドル時代の経験を誇りに思っているし、AKB48で得た経験がなければ今の自分はないと思っています。それだけに後輩たちには『アイドルをやらなきゃよかった』と感じてほしくないですね」
約3か月で社会に出るためのスキルを習得
そんな島田さんが代表取締役社長を務める「株式会社Dct」。同社がおこなう基本的なプログラムは、ビジネスマナーやスキル、PCスキルにマインドセットを約3か月で習得するというもの。プログラムを通し、強化したほうがいい分野がある場合は延長し、個人のスキルや目標に合わせてプログラムを変更する。SNSマーケティングやプログラミングなど、専用のプログラムも揃っている。
「基本的な流れとしては、進路に悩んでいるアイドルが所属している芸能事務所のマネージャーさんや社長さんから連絡をいただき、まず初回の面談を設けます。そもそも、どのような職種があり、どういうことをしたいのかとはっきり決めている子のほうが少数なので、最初の面談でその子の好きなものや趣味などを聞きつつ、向いていそうな職種を提案します」
島田さんのスタンスは「応援はするしサポートはするが、自分で決めるということが一番」というもの。初回の面談を終えて、それでもプログラムを受講したいという本人の意思を聞いてから、いよいよプログラムが始まるという流れだ。