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“釣りブーム”に湧く釣具業界。好調「シマノ」に続く競合2社で分かれた明暗

ビジネス

 コロナ禍では「巣ごもり需要」に支えられたゲーム業界が活況を呈するほか、感染リスクの低いレジャーとしてアウトドア・スポーツが人気となっています

釣り

画像はイメージです

 アウトドア関連では登山・キャンプ用の衣類やグッズを扱う「アルペン」や「ゴールドウイン」が業績を伸ばしています。アウトドアブームでは登山に関するレジャーが人気ですが、中年男性が楽しむイメージが強い「釣り」についても若者や女性が興味を持つようになり、久方ぶりのブームが起きているようです。

 日本釣用品工業会の調査では、2021年の国内釣用品国内出荷金額は前年比112.0%の1733億3000万円と前年に引き続き二桁台でのプラス成長が見込まれています。コロナ禍で釣り業界はどの程度利益を得られたのでしょうか。今回の記事では、釣具関連企業3社の業績からブームの影響を探ってみます

シマノ:自転車×釣りブームで爆上げ

 アウトドアブームで最も利益を得ることができたのは「シマノ」と言えるでしょう。同社は売上高の8割を占める自転車部品と2割の釣具を生産する部品メーカーです。

 コロナ禍では感染リスクの低いレジャーとして世界中でサイクリングブームが起きたところに、釣り人気も重なったことで同社の売上高は急激に伸びました。2018/12期から2021/12期までの業績は以下の通りです。

シマノ(2018/12~2021/12)
売上高:3480億円→3632億円→3780億円→5465億円
営業利益:657億円→680億円→827億円→1483億円
最終利益:539億円→518億円→635億円→1159億円
売上高(釣具事業):704億円→728億円→799億円→1024億円

2022年12期の売上高は5800億円と予想

シマノ

シマノのリール

 自転車事業は、電動アシスト車の好調によってコロナ以前から売上を伸ばしていたところ、コロナ禍で発生した世界的なサイクリングブームによって2021/12期の業績が急激に伸びた形です。

 釣具事業に関しては、2019/12期は好景気のアメリカや釣り人気が起きている中国など、海外は好調だったものの国内は悪天候に見舞われ、大きく伸びなかったようです。

 しかし、翌2020/12期は密を避けられるレジャーとして釣りが注目されたことで同事業は増収となりました。特に2021/12期は外出規制の緩和も合いまったこともあってか、釣具事業は前年以上に拡大しています。

 業績への影響力は圧倒的にサイクリングブームの方が大きいですが、釣り人気に支えられた釣具事業も順調に売上を伸ばしました。なお同社は今後もサイクリング・釣りの需要が伸びると考えており、2022年12期の売上高は5800億円と予想しています

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