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失敗を慰めてくれる課長に依存して…憧れの会社を退職した女性の後悔

コラム

一瞬だけやる気を取り戻していくものの…

落ち込むビジネスウーマン

 すっかり自信を失った田丸さんは、激しく落ち込んだ末に、ある考えを抱くようになります。

「『自分はこの会社で働くに値しないのではないか』と思うようになり、悩んだ末、課長に相談することにしたんです。そうしたら、『結果はこれからきっと出るようになるから』と優しく慰めてくれました。『明るい性格で周りを盛り上げてくれていたのは、立派な貢献だ』と、配属直後のまだ前向きだったころのことも褒めてくれました」

 認めてもらえていたことをうれしく思ったという田丸さんは、一瞬やる気を取り戻すのですが……。

ドラマの主人公ならここで奮起して結果を出したりするんだと思いますが、私にはできませんでした。上司に励まされた直後は、前向きな気分になれたんですけど……。最初のうちは、いつか結果が出るようになると思っていたんですが、成果が出ずに空回りを続けるうちに、自分を責めるようになっていきました。いったんは盛り返した後だっただけに、前回よりも落ち込み方はひどくなっていました」

「課長に慰めてもらうこと」に依存していく

 成果を出そうと思えば思うほど、現実とのギャップに苦しくなってしまう。そうして、田丸さんは再び、課長に相談することにします。

「社内でも評判の人格者の上司だったので、『それだけ悩むっていうことは、真剣に仕事のことを考えている証拠だ。それは大事なことだ』と優しく励ましてくれました」

 上司への相談を経て、精神的に持ち直した田丸さん。しかし、「その頃からおかしくなっていった」といいます。

「課長に励ましてもらった時は、救われたような気分になって精神的にも持ち直すんです。でも、だんだんと仕事に対して前向きな気持ちにはなれなくなりました。そんな状態で結果が出るはずがなく、また結果が出ない状態が続いて……そうすると、課長に泣きながら相談するんです。

 今思えば、慰めてくれることに依存するようになっていたんだと思います。普段は、そんなに目をかけてもらえることもないんですが、落ち込んで泣きながら相談すると、慰めてもらえたり、励ましてもらえる。その時だけは、認めてもらえたような気分になって………」

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