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資産400万円でセミリタイア!食費は月1万円、28歳“底辺FIRE”のリアル

コラム

毎月2万円もあれば衣食住に困らない

「今はYouTubeとブログの広告収入、投資信託の分配金など月5000円程度の収入と、退職に伴う手当や自動車を売った貯金を切り崩して生活費と投資資金に充てています。なので、向こう1年は働かず、来年からはバイトでもしようかなと。将来的には広告収入など月10万円の事業所得を目指しますが、稼げるようになるまではバイト代で補てんします」

マネ得

ゆうすけ氏の’22年4月の家計簿。「古いPCの売却益や企業型年金の解約金が入ったので、珍しく収支がプラスでした。こういった臨時収入がない月は基本赤字なので、銀行預金から積み立て資金を捻出します」

 とはいえ、なかなか綱渡りの人生設計のように思える。不安はないのだろうか。

「たしかに、普通の社会人だったらヤバいと思うでしょうが、僕は危機感が薄いからか『なんとかなるだろう』としか思わなくて。毎月2万円もあれば衣食住に困らないし、年間24万円の収入なら600万円の資産を運用しても得られると思います。いざとなったら季節限定のリゾートバイトなどで集中的に働いて、寒いときに暖かい国で過ごすといった人生を送ればいい。今年は沖縄にも短期滞在しましたし、10月にはタイで1か月暮らす予定です」

もし結婚するなら億万長者になってから

 FIRE後の日常は、昼頃に起きて動画を撮影し、ブログを執筆する合間に筋トレなどをして過ごすというもの。ある意味、独身だからこそ可能な生活スタイルだが、結婚願望はないのだろうか?

マネ得

空き家をセルフリフォームしての一人暮らし

「僕は生涯を共にする結婚には懐疑的です。恋愛ってだいたい2年から3年で飽きちゃうじゃないですか。もし結婚するなら億万長者になってからですかね。とはいえ当面の目標は、今の生活を維持しつつ10年後に資産2000万円を貯めることです。会社員としての人生に疑問を抱いている人にとって、僕のような底辺FIREライフは魅力的だと思いますよ

マネ得

将来性を鑑みて資産のほとんどを米国株インデックスファンドに投資。将来性に期待して損失が膨らんでも握りしめる投資方針だ

 それって、単にフリーランスとして独立しただけは?と思ってしまうが、ともかく。最低限の生活費でミニマムに暮らし、好きなことや自由な日常を優先する――。先行きが暗い低成長時代を生きる若者にとって、ある意味、ごく自然にたどり着いた価値観なのかもしれない

<取材・文/かつのこゆき>

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