うわっ、めんどくさっ…仕事で嫌な相手とうまく付き合うコツ<常見陽平>
⑦ 恋愛の相談を受けるの巻
やはりかたい団体を担当。担当者がほぼ同い年だった。
たまたま新橋の飲み屋で遭遇したことがあり、上司の前で「常見さんは、いつも、“とはいえ!”という言葉で食らいついてくるんですよ」と文句を言われるの巻。しかし、仲良くなり、ついには恋愛の相談までされる。団体内の主任に恋をしているそうだ。
もろもろアドバイスしたところ、プロポーズ成功でゴールイン。いまだに年賀状のやりとりをしている。
真面目そうな組織でも、みんな人の子。恋愛はするんだと。そして、営業としては未熟だったが、少しくらいは人の役に立っていることを実感した。
ビジネスで「嫌な人」と付き合うコツ
まだまだあるが、この辺で。
気づけば、楽しい話ばかりになってしまった。自分が担当した客ではないが、必ず担当者が1回は出入り禁止を言い渡される顧客、新人を相手に「データで証明しろ」と叱り、分析結果を持っていったら「今度は、お前の気持ちを見せろ!」と叱る面倒臭い顧客などの話も聞いたことがある。
なんというか、そのときは辛いけれど、のちにこういうふうにネタになるから安心してほしい。自分では出会えない人と会うことができる。そう前向きに解釈したい。
職場で相談したり、取引先を選ぶのも手
取り引き先に限らずだが、ビジネスで接する「嫌な人」との付き合い方のコツは、「この人は、何を大切に生きているのだろう」「何が好きで何が嫌いなのだろう」と興味を持つことである。味わう、面白がるという姿勢で接しよう。この手の苦手な人は、むしろ「仕事を教えてもらう」くらいの姿勢で接すると良いだろう。
苦手な相手に関しては、職場で相談するのも手だ。付き合い方のコツも教えてもらえるかもしれない。過去のトラブルなども共有してもらえる可能性もある。また、意外にも役職者が以前、担当していて先方のトップ層とのリレーションがあるかもしれない。
取引先は選ぶのも手だ。これもまた、疲れないためのコツである。特に新規営業の場合は、リストアップが肝だ。気持ちよくお金を払ってくれる相手を探そう。
いずれにせよ、20代のときの取り引き先は、すべてが財産になり、あとで良い思い出になるから、前向きにとらえてほしい。
……そういえば、あの会社、どうなったんだろうと、当時の取引先のことをいろいろ思い出した。ググりまくってみよう。うん。
<TEXT/常見陽平>