18歳の『ViVi』モデル・嵐莉菜が語る、初めての挑戦「今よりもっと進化したい」
第72回ベルリン国際映画祭ジェネレーション部門に正式招待され、アムネスティ国際映画賞の特別表彰に輝いた映画『マイスモールランド』が公開中です。日本で暮らすクルド人一家を捉えた本作。難民申請が不認定となり、生活が一変した17歳のサーリャを、ファッション雑誌『ViVi』の専属モデルなどで活躍中の嵐莉菜さん(18)が、映画初主演とは思えぬ自然な演技で見せています。
日本とドイツにルーツを持つ母親とイラン、イラク、ロシアのミックスで日本国籍を取得している父親をもつ嵐さん。アイデンティティに苦しむサーリャの気持ちは「よく理解できた」と言います。そんな嵐さんに、日本で生まれ育ったのに、「やっぱり私は外国人なんだ」と悩んだ過去や、日々の原動力になっていったという「自分のアイデンティティを必要としてもらっている」と感じたときのことを聞きました。
サーリャの葛藤はよく分かる
――オーディションだったとのことですが、もともと女優業にも興味があったのでしょうか。それとも本作の内容や役柄に興味を持ったのでしょうか。
嵐莉菜(以下、嵐):事務所の先輩や、テレビや映画で活躍されている方々を見ていて、わたしもいつか挑戦してみたいと思っていました。でも、こんな早くに、こうした大きな機会をいただけるとは思っていませんでした。
サーリャという役柄は、葛藤してきたことが自分自身と共通している部分がありますが、でも自分との共通点がもしなかったとしても、オーディションを受けていたと思います。そしてサーリャという役に出会って、より演技に対しての魅力を感じることができました。
幼い頃、自分にも固定概念が
――本作の川和田恵真監督はイギリスと日本のミックスの方ですね。
嵐:「自分が日本人だと言っていいのか分からない」と感じた経験や、ワールドカップのとき、日本を応援するつもりだったのに「どの国を応援するの?」と聞かれ困惑したことなど、とてもお話ししやすかったです。あと子どもの頃のお遊戯会の話をしました。
――お遊戯会ですか?
嵐:「かぐや姫」などの日本のお姫様は遠慮してしまうのですが、「シンデレラ」や「白雪姫」といった海外のお姫様になるとやりたくなるんです。自分自身に、日本のプリンセスはできない、やっちゃダメなんだという固定概念があったのかなと。監督もすごく共感してくださいました。