bizSPA!

兄だけを溺愛する両親と決別。“出来の悪い次男”がとった「最終手段」

コラム

兄は実家で引きこもりになっていた

「実家暮らしなら生活費として家に入れるのは納得できますが、私は一人暮らし。それも大学だって親の世話にはなっていません。『今まで育ててもらった恩を忘れたのか!』と言われ、こちらもカッとなって『兄貴に出してもらえばいいだろ。大学の学費だって出してないに偉そうに親面するな!』と反論していました」

 大学時代から実家には滅多に戻りませんでしたが、この件もあって就職後は1度も実家に帰省することはなかったそうです。

「仲良くしている従兄から聞きましたが、兄は入社2年目に会社を辞めてしまい、そのまま実家に引きこもってしまったそうです。それで出費が増えて私に援助を要請したんだと思います。せめて態度を改めるなり謝罪の言葉があればこっちも考えましたが、あれじゃ素直に応じろっていうのが無理です」

婿養子になることで両親と決別

 親からの電話は気が向いたときには出ていますが、先日も興奮した父親から「老後はお前が面倒を見ろ!」と言われてしまいます。

「まあ、親子関係は相変わらず最悪です。兄は短期や単発のバイトくらいはしてるみたいですが、今も半ニート状態。でも、父だって上場企業勤めですし、退職金はそれなりにもらえるはず。本当にピンチなら仕方ないですが、余裕のあるうちから息子の金を当てにしようなんて虫がよすぎるんですよ。だから、現時点では援助する気は一切ありません

 それに新開さんは交際中の女性との結婚を考えており、それも婿養子になる意思を固めているとか。彼女やその両親も事情を理解してくれているそうです。

「自分が違う家の人間だと両親に意思表示する目的もありますが、あの親と同じ姓を名乗りたくないんです。良好な関係が築けたら良かったですが、それは無理でした。私もこれ以上は嫌な思いをしたくないので……」

 親子ならわかりあえるはず――そういう意見もあると思いますが実際にはそんなに甘くないもの。ハッピーエンドではないにせよ、彼にとってはこれが最良の選択だったのかもしれません。

<TEXT/トシタカマサ イラスト/zzz(ズズズ)>

-[私が体験した毒親トラブル]-

ビジネスや旅行、サブカルなど幅広いジャンルを扱うフリーライター。リサーチャーとしても活動しており、大好物は一般男女のスカッと話やトンデモエピソード。4年前から東京と地方の二拠点生活を満喫中

12

おすすめ記事