元男性の“トランス女性”が語る、知ることの大切さ「求められるものは違う」
男性にも女性にもお互いを“知って”欲しい
――最後に、男性、女性の両方を経験しているペリさんだからこそ、男性や女性に言えることって何かありますか?
山本ペリ:ツイートがバスってたくさん反応があって、それを怖いけど全部見たんですよ。それで、結構そこで戦いが起こってて。男性嫌悪がものすごく強い人もいて、トランスジェンダー自体が叩かれたりしてたんです。
今、何でもリモートじゃないですか。でも、実際に会っていないのに、そういうふうにネットの意見だけを拾って想像しても、その気持ちは自由だからいいんだけど、世界は良くならないって思います。例えば、紛争地帯で苦しんでいる人の気持ちは、分からないじゃないですか。
だから本当は不要なものでも、力になれるかも知れないと思って、折り鶴とか送りたいな、なんて思っちゃうじゃないですか。けど、知らないから送ろうと思うのであって、知ってたらご飯とか送るワケですよ。
ふざけてエレベーターとかで脅かしちゃう男の人は、女の人がこういう目に遭っているのを知らないだけで、知ってたらやらないんです。ほとんどの一般の人は知ってたらやらない。知っていて(嫌がることを)やる人はヤバいだけなんで。
でも女の人もそうで、男の人がみんな(女の人の境遇を)知っていてやっていると思ってたりするんです。「怖いの分かるでしょ?」って思っているのって、男の人がそれを知らないのを“知らない”んですよね。男性も、女性もお互いが知らないことを知るのが第一歩だと思います。
<取材・文・撮影/まなたろう>
【山本ペリ】
23歳の時大学在学中に性転換手術を受ける。現在は会社員として働いている。Twitter:@party_othman