“ノブコブ”徳井健太が明かす「芸人愛を感じる」バラエティ番組の特徴とは
NSC東京校5期出身の同期であった2人によって結成され、2010年代からフジテレビ系『ピカルの定理』などバラエティ番組に多数出演し、注目を集めたお笑いコンビ「平成ノブシコブシ」。昨今ではピンでの活躍も目立ちますが、そのなかでも出色なのがツッコミ担当・徳井健太さん(41)によるお笑い考察。
千鳥、霜降り明星、ハライチ、シソンヌ、オードリーらお笑い芸人21組の生き様を紹介したエッセイ集『敗北からの芸人論』(新潮社)も発売から好調を続けています。
そこで改めて徳井さんに取材。全2回の前編では、現在の芸人考察ポジションに思うことや、芸人愛を感じる番組のほかとの差などを聞きました。
芸人考察ポジションの起源はあの番組
――現在、確立されている芸人考察ポジションですが、そうした立場を表に出されたのは『333(トリオさん)』(パンサー、ジャングルポケット、ジューシーズの3組のトリオによるバラエティ番組。テレビ朝日系にて2010~2015年放映)くらいからですよね。
徳井健太(以下、徳井):確かに『333 トリオさん』が起源ですね。本来、嫉妬するべきだったんです。同じ「ヨシモト∞ホール」にいた3組の後輩トリオが、テレ朝で深夜番組をスタートさせたんですから。たぶん吉村(崇)は嫉妬で1回も見てないと思います。
吉本がやってる沖縄国際映画祭の時期になると、レギュラー番組を沖縄で収録することが多いのですが、そのときに『333』も沖縄で撮るとなって、ゲストに呼ばれまして、自分ごときが番組の出方を伝授するみたいなのをボケでやったんです。ボケだったんですよ。
でもそれを『アメトーーク!』『ロンドンハーツ』(ともにテレビ朝日系)などの演出をされている加地(倫三)さんが見て、「なんなんだこいつ」と思ってくださったらしく。で、今度はどっきり企画として、僕が来てるとは3組には知らせずに、ロケをひと通り陰で見たあとで、「あのひと言はもっとこうだ」とか、評論していったんです。
重機の免許を取ったワケ
――ちょうど「M-1グランプリ」が休止してた頃ですか?
徳井:確かに。コンテストストレスがなくなっていた頃かもしれません。その時期に海外ロケなんかでお仕事をいただくことがあって、そこから『ピカルの定理』に続いていきました。ネタよりも、テレビでどう出ていくかを考えようという時期でしたね。
――徳井さんは重機の免許をお持ちですが、キャラ模索のような時期もあったのでしょうか。
徳井:重機に関しては、中国地方でめちゃくちゃ雨が降った時期がありましたよね。そのころに千鳥のノブさんたちとご飯を食べる機会があって、(ノブさんのご出身の)岡山とかにも被害が出ていたので千鳥さんは「漫才をしに行って元気づけたい」と言ってたんです。