パリでYOSHIKIに送った「フレフレのエール」。無名の応援団が600万円集めて起こした“奇跡“
1万人の三三七拍子
さきほどうっかり外に出たときに集まっていたお客さんたちは、青空応援団を見に来てくれた人たちだったのかとようやく気づいた。いったい何が起こったのか。すぐにピンときた。そう、YOSHIKIさんがツイッターに載せてくれたのだ。その映像を観た人が興味を持って集まってくれた。「YOSHIKIさんすげーな!」と感激しながら、僕らは大勢の観客の前で演舞を始めた。
ステージの上から、ふと取材をしていたミヤギテレビのスタッフが目に入った。まだ終わってもいないのに号泣しているのがわかった。壇上から「この中で、誰か応援してもらいたい人はいますか」と、フランス人で埋め尽くされた観客に向けて呼びかけた。すると女の子たちが次々に手を挙げてくれるではないか。
名前を聞き、エールを送ると、涙を流しながら喜んでくれた。僕らが真剣に応援していることを肌で感じてくれたのだと思う。フランスでは「ガンバレ」という言葉が浸透しているのだ。応援に国境はないと実感した瞬間だった。
その後も続々と手が挙がり、僕らはそれぞれの人にエールを送った。一人ひとりが喜びで興奮しているのがよくわかった。そして最後は1万人の三三七拍子で舞台を締めくくった。あれは青空応援団にとって記念すべき日となった。世界はやっぱり青空でつながっていた。
<TEXT/青空応援団初代団長 平了>