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パリでYOSHIKIに送った「フレフレのエール」。無名の応援団が600万円集めて起こした“奇跡“

暮らし

1万人の三三七拍子

青空応援団

 さきほどうっかり外に出たときに集まっていたお客さんたちは、青空応援団を見に来てくれた人たちだったのかとようやく気づいた。いったい何が起こったのか。すぐにピンときた。そう、YOSHIKIさんがツイッターに載せてくれたのだ。その映像を観た人が興味を持って集まってくれた。「YOSHIKIさんすげーな!」と感激しながら、僕らは大勢の観客の前で演舞を始めた

 ステージの上から、ふと取材をしていたミヤギテレビのスタッフが目に入った。まだ終わってもいないのに号泣しているのがわかった。壇上から「この中で、誰か応援してもらいたい人はいますか」と、フランス人で埋め尽くされた観客に向けて呼びかけた。すると女の子たちが次々に手を挙げてくれるではないか。

 名前を聞き、エールを送ると、涙を流しながら喜んでくれた。僕らが真剣に応援していることを肌で感じてくれたのだと思う。フランスでは「ガンバレ」という言葉が浸透しているのだ。応援に国境はないと実感した瞬間だった。

 その後も続々と手が挙がり、僕らはそれぞれの人にエールを送った。一人ひとりが喜びで興奮しているのがよくわかった。そして最後は1万人の三三七拍子で舞台を締めくくった。あれは青空応援団にとって記念すべき日となった。世界はやっぱり青空でつながっていた。

<TEXT/青空応援団初代団長 平了>

青空応援団・初代団長。1978年、宮城県生まれ、宮城県仙台第一高等学校、宮城教育大学卒業。 2011年、東日本大震災の津波被害を受けた家屋の土砂や瓦礫をかき出す有志の団体「スコップ団」を結成。2012年3月10日、鎮魂の2万発花火を打ち上げるイベントをもってスコップ団の活動は停止。2013年6月、社会人応援団「青空応援団」を結成。仙台組、東京組、関西組、海士町組に総勢約90人の団員が属す。随時団員募集中。本業は、店舗などの内装・デザインを行う「ファンキーベイビー工務店」代表。著書に『青空応援団 ~僕らはいつだって応援している~』(扶桑社)

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