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パリでYOSHIKIに送った「フレフレのエール」。無名の応援団が600万円集めて起こした“奇跡“

暮らし

無名の応援団が600万円を集めるには…

青空応援団

団の行動規範は「自重、正義、根性」

 団にそんなお金はない。まったく何をするにもお金の問題は常につきまとうよね。ここはひとつ、「お金持ち」に協力を仰ぐしかない。我々の活動を理解してくれそうなところに「営業」に行くことにした。

 最初に訪ねたのは、日本有数の日本酒ブランド「浦霞」を製造する株式会社佐浦の経営者、佐浦弘一氏だった。佐浦さんは仙台一高出身。一高の後輩が頭を下げればなんとかしてくれるに違いない。わからんけど。行ってみるしかない。そう考えて、さっそくバイクに乗って本社を訪ねた。

 お会いして事情を話し、「先輩、ひとつ、ご協力をお願いします」と頭を下げたところ、さすが地元の名士であり一高の先輩。僕らの活動にいたく賛同してくれて、「いいよ」と、即決で協力を申し出てくれたのだ。なんという心意気かと感激した。「ありがとうございます」と、丁寧にお辞儀をしておいとました。

宮城トヨタ社長に「金の無心」へ…

 パリがぐんと近づいたことで一気にテンションが上がった僕は、その足で宮城トヨタ自動車の社長、後藤誠氏のもとを訪ねた。後藤さんもやはり一高の先輩だ。「どうしたの?」と後藤先輩。事情を簡単に説明した。

 そして「さきほど浦霞の佐浦先輩のところにうかがいましたら、即決でなかなかの額をご寄付いただきました。そこで、後藤先輩はいったいどれほどご協力いただけるものかということだけ、お聞かせていただきたく、まいりました次第です」と言った。こちらの魂胆を見抜いた先輩は「何だそれ~! 金の無心に来たのか?」。

「まったくそのとおりでございます」。つくづく人生は綱渡り。でも、大事なところは曖昧にせず、「無心でございます」と、明瞭に答えた。すると、やはりそこはさすが一高の先輩。

「そうか。そういうことならわかった。賛同するから手伝うよ。でも佐浦先輩を超えるわけにはいかないね」とおっしゃって、佐浦先輩よりもほんの少し少ないだけのまとまった金額を寄付してくださったのだ。二人の先輩からご厚意をいただいて、ほぼフランス行きを手中に収めたようなもの。

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