「させていただきます」はNG?仕事ができない人のメールの特徴をプロが指摘
読みやすい簡潔な内容こそが本当の配慮
確かに「させていただきます」の多用は違和感を覚える。しかし、文章ベースのコミュニケーションでは、感情を乗せるのが難しい。そのうえ、相手のリアクションがわからないため、どうしてもへりくだりたくなる気持ちもわかる。
ただ、平野氏は「多用することで文章を読みにくくする表現でしかなく、別の言い回しを使った方が合理的だ」と一蹴。
「敬語は使えば使うほど読みにくくなります。基本的にビジネスメールは熟読せず短い時間で読もうとするため、『させていただきます』が乱用されている文章では誤読が発生しやすい。読み手に配慮して丁寧な文章を心掛けている人もいますが、その丁寧さが読みにくさを生んでいるのでは本末転倒。本当に配慮するのであれば、読みやすい簡潔な内容にするべきです」
文章下手は感情にこだわるな
文章ベースであってもコミュニケーションはコミュニケーションである。感情を上手く乗せる方法はないのか。
「過剰に敬語を使わなくても、文章に感情を乗せることはできます。私は『ありがとうございます』をよく使用しており、冒頭と文末に2か所使用することも珍しくありません。ですが、ただ『ありがとうございます』と言うのではなく、『何に対するお礼なのか』を明確にする必要があります。
例えば、返信が早かった場合は『早々にご連絡ありがとうございます』というようにすると良いでしょう。とはいえ、文章に慣れていない人が無理にテクニックに走ると、余計に読み手を混乱させてします。しばらくは感情にこだわらず、簡潔かつ明確な文章を書くことに注力すべきです」
また、「解釈を相手に委ねることになるためオススメできません」と感情を乗せるためにビックリマークや顔文字、スタンプなどを使用することも「待った」のようだ。
「ビジネスメールは100人が読んだら100人とも同じ解釈になることが大前提であり、先に申した通り、抽象的な内容になってはいけません。当然、ビックリマークのような記号も人によっても捉え方が異なるため避けたほうが無難です」