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米アカデミー賞受賞なるか?『ドライブ・マイ・カー』が普通の日本映画と違うワケ

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 今年も米アカデミー賞の季節がやって来た。コロナ禍とはいえ、ほとんど通常の開催規模に戻し、世界中の映画ファンが映画界最大の華やかな一夜に、ハリウッドのセレブリティが集結する祭典を心待ちにしている。

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©2021『ドライブ・マイ・カー』製作委員会(以下、同じ)

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 しかも2022年はいつも以上に期待に胸膨らむのは、濱口竜介監督作『ドライブ・マイ・カー(2021年)が作品賞にノミネートされるという日本映画初の歴史的快挙を果たしたからだ。

 3月28日(日本時間)の授賞式までカウントダウンが始まるなか、普段は「イケメンと映画」についての考察をライフワークとしている筆者(加賀谷健)が、濱口監督の世界映画史的な意義に思いを馳せながら、独善的な受賞予想(希望!?)を試みてみたい(以下、本稿での「アカデミー賞」は、特筆ない限り米アカデミー賞を指す)。

映画賞の世界的受賞ラッシュ

 2021年7月、コロナ禍の中、開催時期を遅らせて現地開催が実現した第74回カンヌ国際映画祭でコンペティション部門24作品の中から『ドライブ・マイ・カー』が、日本映画初となる脚本賞受賞の快挙を成し遂げた。

 すると世界中の注目が一気に集まり、全米批評家協会賞では黒澤明監督の『乱』(1985年)以来の作品賞と主演の西島秀俊がアジア人初の主演男優賞を受賞。その他、ニューヨーク映画批評家協会賞作品賞などのアメリカ主要賞でも続々受賞を果たし、ついに日本映画史上の快挙となるアカデミー賞(第94回)作品賞ノミネート(他、監督賞、脚色賞、国際長編映画賞)の発表があった。

日本アカデミー賞の後追い感は否めない

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 日本の映画ファンも3月末の授賞式を毎年楽しみにしているアカデミー賞の賞レースに日本映画が参戦することに胸が熱くなる。さらにアカデミー賞の前哨戦とされるゴールデングローブ賞(第79回)では最優秀非英語映画賞を、英国アカデミー賞(第75回)でも非英語映画賞をそれぞれ受賞し、日本映画史上初のアカデミー賞作品賞受賞もいよいよ現実味を帯びてきたところだ。

 そうした海外での受賞ラッシュの状況を顧みるように、若干焦り気味で日本アカデミー賞では、主要8部門すべてで最優秀賞を授与。

 後追い感は否めないものの、3月11日という日本人にとって重要なこの日に本作が日本一の栄誉を受けたことには、深い意義と東北で一連の震災映画<『なみのおと』(2012年)、『なみのこえ』(2013年)、『うたうひと』(2013年)>を製作していた濱口監督にとっての不思議な因縁を感じずにはいられない。

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