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夜のプロントは「レトロ酒場」に。カフェ市場寡占化への危機感が背景に

ビジネス

“二毛作”から“二面性”を活かす経営に

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 そこで新たに自分たちの「強み」を再設定することを始めたそうだ。

「これまでの約30年は“昼はカフェ・夜はバー”という“二毛作”業態でやってきました。しかしトレンドもニーズも変化し、それはかえって弱みになっていることに気付いたのです」

 昼と夜、両面をあわせ持つのがプロントの強みだ。既存のリソースを活かしつつ、新たな時代にマッチしたものに“焼き直す”作業が始まった。その際にキーワードに掲げたのが“二面性”だ。

「昼はカフェ、夜はお酒を飲む場所という基本スタイルは変わりません。しかし、今までのようにそれをシームレスでおこなうのではなく、昼はスタイリッシュなカフェなのに、夜はレトロ感のあるネオ酒場になる、全く違う業態が存在する二面性を打ち出したのです

昼と夜で異なるマーケットニーズに着目

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スタッフも制服を着替える

 その“二面性”とはどういったものか。実際に店舗に足を運ぶと、18時になると雰囲気がガラリと変わることがわかる。店舗前には大衆酒場などでよく目にするのれんが出る。「キッサカバ」というレトロな文字が並ぶ白地ののれんに郷愁感を抱く人もいるだろう。

 店内の照明も何やらムーディーな薄暗いものになり、BGMも変わった。気付けばスタッフの制服も変わってしまっている。昼と夜で、パチン! とスイッチを切り替えたかのようだ。「これが昼間コーヒーを飲んでいたあのお店か!?」と思ってしまうほどの変身ぶりだが、この意外性も狙いのひとつだという。

「飲食店を利用する動機として、昼は美味しさと利便性を重視しますが、夜は美味しいものを食べて、かつ、その時間そのものを楽しみたいものです。つまり昼と夜では飲食ニーズが異なるわけで、同じ業態をシームレスで続けていても、お客さまの選択肢には入らなくなってしまいます」

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