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“上京失敗”と“留年”の大誤算が心を強くした。藤田晋が語る、学生時代

学び

 浮き沈みの激しい実業界で、常に注目を集めるサイバーエージェントの藤田晋社長実業家の堀江貴文氏

大学の教室

※画像はイメージです

 IT業界を牽引してきた“盟友”が学生時代のエピソードから一緒にビジネスをするようになった瞬間、ビジネスにおける苦悩までを語り合った新刊『心を鍛える』(KADOKAWA)。今回は藤田氏の「10代のうちに経験すべき大誤算」についての項を同書より紹介する(以下、一部編集のうえ抜粋)

ダメダメだった約2年間の学生時代

 さて、音楽への道を潔く断念した高校3年生の私は、8月から狂ったように受験勉強に邁進し始めます。誇張ではなく、偏差値40からの大学受験でした。とはいえ、勉強のノウハウを体得できたわけでも、受験を巡る感動的なドラマがあったわけでもありません。

 私の場合、数学や国語も含め、勉強はすべて丸暗記。そして東京にある大学で、自分で納得できる大学、受かりやすそうな学部をいくつか厳選して受験しました。結果、青山学院大学経営学部から合格をいただき、進学することになります。

 私の人生経験が、多少なりとも何かのお役に立てるとすれば、それから約2年間のダメダメだった学生時代の話かもしれません。なにせ、若気の至りとでも言うべき、大誤算の連続だったのです。合格通知をもらい、「大都会・東京にやっと出られる!」という歓喜に満たされていた私ですが、上京の準備を進めるうちに大変なことに気づきます。

10代のうちに経験すべき「大誤算」

心を鍛える

堀江貴文、藤田晋『心を鍛える』(KADOKAWA)

 当時、青山学院大学の1年生と2年生は、表参道のキャンパスに通学できるわけではありませんでした。神奈川県・本厚木駅からさらにバスで30分ほどの場所にある「厚木キャンパス(現在は閉鎖)」に通うことになっていたのです。

 もちろん、下宿先は都内ではありません。距離的な問題から神奈川県相模原市を選ばざるを得ませんでした。これが私の人生において“最初の大誤算”です(笑)。恐ろしいことに、大誤算はさらに続きます。

 私は高校生の頃から麻雀が得意だったのですが、「青学に合格した」という解放感も手伝ってか、より一層、麻雀という沼にハマり、大学から足が遠のいてしまったのです。下宿の最寄り駅である相模大野駅から、キャンパスのある本厚木駅まで、快速急行でわずか1駅。たった10分ほどで行けるのに、です。これも大誤算でした。

 そして、最初は居酒屋などで学業に差し障りのない範囲でアルバイトにいそしんでいたのですが、厚木にあった行きつけの雀荘の店長から“引き抜き”にあいます。「藤田君、うちでバイトしない?」

 時給1000円で、「お客様が4人に満たないときのメンバー」として麻雀を打つアルバイトを始めたのです。

心を鍛える

心を鍛える

IT業界を牽引してきた“盟友”が初めて語り合う「生い立ち」「起業」「キャリア」「未来のこと」

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