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急増する「発達障害グレーゾーン」。不注意やミスの先にある出口

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苦しみからの脱出の糸口になるかも

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 もうひとつは、親との離別や親からの虐待、支配などがあり、親が何でも相談できる存在とはほど遠いような場合、不安定な愛着の問題が推測され、疑似ADHDの可能性が疑われる。虐待やネグレクトなど、愛着障害がベースにあるケースでは、年齢が上がってから逆に症状が強まることが報告されている。また、疑似ADHDでは、ASD(自閉スペクトラム症)に似た症状も併存しやすいのが特徴である

 検査所見にも特徴の違いがある。本来のADHDでは、言語理解や処理速度が低い傾向を示すが、疑似ADHDでは、知覚統合がもっとも低い傾向を示す。それ以外に、本来のADHDは男性に多いが、疑似ADHDは、性差がないか、やや女性に多い傾向が見られる。

 疑似ADHDということになれば、それは単に診断未満のグレーゾーンということではない。根底に愛着障害が隠れている可能性もあるからだ。疑似ADHDをきっかけに、愛着障害に気づくことができれば、得体の知れない苦しみからの出口を見つけられるチャンスでもあるのだ。

<TEXT/精神科医 岡田尊司>

1960年、香川県生まれ。精神科医、作家。医学博士。東京大学文学部哲学科中退。京都大学医学部卒。京都大学大学院医学研究科修了。長年、京都医療少年院に勤務した後、岡田クリニック開業。現在、岡田クリニック院長。日本心理教育センター顧問。パーソナリティ障害、発達障害治療の最前線に立ち、現代人の心の問題に向かい合う。著書に『発達障害「グレーゾーン」 その正しい理解と克服法』(SB新書)など

発達障害「グレーゾーン」 その正しい理解と克服法

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発達障害、パーソナリティ障害、愛着障害など、現代人のこころの闇に最前線で向き合い続ける精神科医が心をこめて書き下ろす渾身の一冊

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