元NMB48アイドルが明かす、酒屋に転身したワケ「キャリアに悩んでる子に響いてほしい」
将来は日本酒を販売する実店舗も構えたい
一方で、接客ならではの難しさも感じているという。
「お客さんから『辛口がいい』と言われても、いわゆる“辛口の日本酒”がその方が思っている辛口ではない場合もあって。おすすめを聞かれたときは『ふだんは何を飲んでいらっしゃいますか?』『どういった食事に合わせたいですか?』と、それぞれのシチュエーションをなるべく具体的に掘り下げています。
ボキャブラリーがない人間なので、経験を重ねるにつれて言葉の引き出しが増えていくのも楽しくて。ECサイトの先では日本酒を販売する実店舗も持ちたいと考えているので、将来的にも役立てていきたいです」
芸能界から経営の世界へ。一念発起でセカンドキャリアへ進んだ高野さんは今、未来に期待しかない。
失敗しても、ダメになるわけではない
そして、アイドルという職業に限らず、かつての彼女のように現状へ危機感をおぼえながら、新たな一歩を踏み出せない人たちもいるはず。そんな人たちに向けて最後、今ある枠を飛び越えるためのアドバイスを聞いた。
「好きな日本酒をテーマに経営者になりましたけど、私自身はまだスタートすらしていないんですよ。でも、過去の自分のように悩んでいる人たちへ、成功していく姿を見せていきたいと考えています。失敗してもダメになるわけではないとは感じていて。
芸能界を辞めて、日本酒の世界に飛び込もうと決断した自分は褒めてあげたいんです。この先で成功しなかったとしても『やらなければよかった』とは思わないだろうし、大きな決断をしただけのも自分にとっては成長だから。転職や起業など、別の道に進みたいと悩む人たちもいるかもしれませんが、怖がらずに選択してみるのもひとつの方法だと思います。
私はお酒を飲めば、落ち込んでも気持ちを切り替えられるタイプで(笑)。今ではそれを仕事にすると決めたし、違うとなったら次「こうしてみよう」と考えるんですよ。決断できれば自分の成長も実感できますし、その先で何かに繋がるはずです」
<取材・文/カネコシュウヘイ 撮影/林紘輝>