『チーズはどこへ消えた?』410万部の“百刷本”が、コロナでまた大売れのワケ
『チーズはどこへ消えた?』という本をご存じだろうか。
日本では、いまから20年以上前、2000年に発売されるやベストセラーとなり、以来、増刷を重ねて110刷、累計410万部をこえるという、超ロングセラーなのだ(ちなみに全世界では2800万部超だとか)。なので、この印象的な書名や表紙に覚えがあるかたも多いかもしれない。
大谷翔平選手も影響を受けた“百刷本”
アメリカでは、IBMやアップルをはじめ、GM、シティバンク、エクソンモービル、タイムワーナー等々、名だたる企業が社員研修に使うなど、ビジネス書のスタンダードになっている。
いっぽう日本では、ビジネスパーソンのみならず、主婦層や若者にもよく読まれ、あの大谷翔平選手も学生時代に影響を受けたと語っている。
そんな『チーズはどこへ消えた?』が、昨今、また売れているというのである。 そもそも、どんな本なのか。
『チーズはどこへ消えた?』は童話のような物語
話の中核になっているのは、まるで童話のような物語だ。
迷路のなかに、2匹のネズミと2人の小人が住んでいる。彼らの目的は、チーズだ。
チーズをもとめて、2匹と2人は迷路のなかをさまよってきたのだが、ついに大量のチーズがあるステーションを発見した。おいしいチーズにありつけるようになり、彼らは幸せな日々を送っていたのだが、ある日突然、ステーションのチーズが消えてしまった!
2匹のネズミはさっそく新しいチーズを探して走りだしていくが、小人たちはそうはいかない。なぜこんなことが起きたのか? ステーションにチーズが復活するのではないか? 外の世界へ探しに行くのは危険すぎないか? 考えはつきない。
いったい、小人たちはどうするだろう。
……というような、わずか94ページの薄い本である。
それが、なぜこれほどのベストセラーになったのか。