体育会系は「就活に有利」は本当か?コロナ禍での変化を当事者らに聞く
学生のイメージと企業の採用環境には溝が
社会的にDX化・クロステック化が進み、アスリート学生の考える就職先のイメージと企業の採用環境には溝も生じている。前出の「stair」の米田氏は、「限られた時間の中で就活について自立的に考える必要性」を指摘する。
「stair登録学生の希望職種(複数回答)では、営業関連(64%)、商品企画・マーケティング関連(33%)、販売・サービス関連(25%)が上位ですが、企業が求める人材像はテック寄りのエンジニア職に変化しています。
とくに1~2年生のアスリート学生は就活への意識が低く、有名企業しか選択肢にない傾向などもあり、早くから就活に関する情報に触れ、企業の選択肢を増やすことが重要です」
SNS型コミュニティでミスマッチを減らしたい
アスリート学生の就活におけるさまざまなギャップの軽減を目指すSNS型プラットフォーム「stair」。今後、どのような展開を目指しているのか。
「就活早期化は国も問題視しており、2021年3月から就活スケジュール管理が経団連から文科省に変わりました。オンライン化で就活のスピード感が増したこともあり、この流れはなかなか止められない。多くの学生が学業などに注力する時間の減少が懸念されるなか、アスリート学生に向けて我々の価値を訴求していきたいです」(米田氏)
stairでは、学業と部活動で時間的制約を受けやすいアスリート学生が、ユーザー企業や大学を超えた交友関係での情報交換を通じ、より効率的にお互いのエンゲージメントを深められる。
「就活採用サービスの情報に学生が応募するという、従来型のワンウェイで定型的なコミュニケーションだと、どうしてもミスマッチに繋がりやすい。SNSでの発信を『チャラい』と感じるアスリート学生も少なくないんですが、専用SNS型コミュニティなら限られた時間でも親しみやすく、オンラインでの発信力を培えると考えました」