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ビジネス

終身雇用は昭和の時代でも例外的な働き方

 とはいえ、日本はまだ先進国にいることができていますので、「一人で生きていく」ことに困らない給与を得られている人も多いと思いますが、結婚、出産、子育てとなれば一時的にでも収入は減少しますし、必要なお金も増えていきます。たいていの家族にとって、1人の収入だけでは安定した生活を送るのは厳しいというのが現実でしょう。

 終身雇用といわずとも、今の所ほとんどの人が前提にしている「1つの会社にずっと勤めていく」という働き方も見直すときが訪れつつあります。終身雇用を「昭和の遺物」と考えている人も多いと思いますが、実はそれすらも怪しいというデータがあります。

 経済産業省が2017年に発表した資料によると、そこに書かれている「正社員になり定年まで勤め上げるという生き方」をした男性は100人中たった34人だったと書かれています。このように昭和の時代であっても終身雇用は例外的な生き方だったのです。

終身雇用

昭和の時代でも終身雇用を実現できたのは約3人に1人だけ(2017年「不安な個人、立ちすくむ国家」(経済産業省)より抜粋)

 昭和の時代でさえ、例外的な生き方だった「終身雇用」を令和に生きる私たちがあてにしてよいはずがありません。では、どうやって自分の人生を守っていったら良いのか。これがベストといえるあり方が見つかっているわけではありませんが、私が実践していることも含め、近年出てきた取り組みについていくつか紹介していきたいと思います。

常時転職活動のススメ

 終身雇用が人生の豊かさを保証してくれないということがわかった中で、私たちはどのようにして人生の豊かさを守っていけばよいのでしょうか。

 1つは昭和の時代も約半数の人が経験した「転職」です。先ほどの経産省の資料でも新卒採用された人のうち、48人は「転職等」で社外に出ていると記載があります。20歳前後で社会に出て、65歳くらいまで働かないといけないとすると、40~50年は働かないといけない計算になります。これほどの長い間、特定の企業が元気でい続けることが現実的でないというのは冷静になって考えると当然のことかと思います。

 会社の業績が悪くなれば、給与が下がるだけでなく、リストラの危険もあります。生活防衛のための第一候補としてはやはり「転職」でしょう。ただし、多くの人が想像する通りその会社でしか通用しないスキルばかり習得していると、いざ転職のときに満足いく年収を得られないばかりか、転職先がないという事態にもなりかねません。

 これを防ぐために私が若手社会人におすすめしているのは「常時転職活動をする」です。日本には転職サイトや転職エージェントが星の数ほどあります。こういったサービスに登録し、常に自分の市場価値を測り、上げていくために必要な取り組みをしていくことです。

 必ずしも応募や面接をする必要はありませんが、スカウトが来る求人を見たり、求めるスキル情報を見るだけでもしておいたほうが良いと思います。カジュアルミーティングを実施している会社も多いので、そういったものに参加してみても良いと思います。

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