性的虐待された10代少女が、ベランダから「助けて」…24時間チャット相談に集まる逃げ場のない声
40分以上にわたる会話でAさんに変化が…
また、Aさんも「少しお話したいです」と、まずは対話をすることを望んでいた。その後、相談員とAさんは共通の趣味が音楽であるということをきっかけにして、徐々に関係性を構築していった。
1回の相談の目安は40分だが、このときは40分を過ぎても会話が続くほど、Aさんは少しずつ心を開いてくれた。親からの性的虐待という筆舌に尽くし難い苦難のなかで、凝り固まった他者への不信感を少しずつ解きほぐしていったのだ。
相談が終盤に差しかかったとき、相談員は改めて、「児童相談所の方とお話ししてみませんか」と投げかけた。
すると、相談の冒頭では絶対に児童相談所には連絡をしないでほしいと伝えていたAさんが、「わかりました。相談員さんがそう言うなら、話してみます」と答えてくれるようになった。その後、最終的には児童相談所へつなぎ(通告)、継続的に支援していった。
<TEXT/NPO法人あなたのいばしょ理事長 大空幸星>