高梨沙羅の失格に…「悪夢のような敗戦をした」元五輪メダリストからの伝言
のびのびと滑って銅メダルを獲得した森重航選手
五輪ほどの大舞台になればなるほど、「周囲の期待」と「自分の現在地」のバランスが影響すると思っています。周囲の期待が自分の現在地を上回ればよりプレッシャーがかかります。
でも、その逆ならノープレッシャー。男子スピードスケート500mで銅メダルを獲得した森重航選手(現役の専修大学生で同種目のメダルを獲得したのは、堀井選手以来の快挙)も、ノープレシャーでのびのびと滑ってたどり着いた境地ではないでしょうか。
一方で、小林陵侑選手や平野歩夢選手は、周囲の期待よりも自分たちの技の完成度や自信が上回っていたから、金メダルをとっても号泣するわけでもなく、喜びにあけくれるわけでもない。冷静にインタビューに答える姿は、すごみを感じました。積み重ねてきた練習と試合で出してきた結果の自信、100%、自分を信じている姿がありました。
五輪は一瞬でしかありませんが、その一瞬が選手の人生をも左右します。ルールや道具やジャッジなどが公平で、雑音に惑わされることなく、選手の能力や技術が十分に発揮される五輪であってほしい、と願わずにはいられません。
思い通りの結果を出せた選手、出せなかった選手、どんな選手にも万雷の拍手をもって、彼らの挑戦を讃えたいと思います。
<TEXT/元スピードスケート選手・衆議院議員 堀井学>