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ニチレイ、「本格炒め炒飯」で30億円かけたハイリスクな投資に挑んだワケ

ビジネス

「三段階炒め製法」で100億円突破ブランドへ

「今まで以上の美味しさを実現するため、この年に、素材・炒め・調味など全てのこだわりを凝縮させ、製造ラインも刷新しました。こうして生まれたのが、家庭の火力では実現できない250℃以上の高温熱風でお米の余計な水分を飛ばし、仕上げていく『三段階炒め製法(特許製法技術)』でした

ニチレイフーズ

250℃以上の高温熱風をご飯に吹きかけ、炒めていく「三段階炒め製法」

「加えて、焼豚も自社製造に切り替えました。焼豚づくりの内製化は、製造課程で生じる煮汁を炒飯の味付けにも加えることが可能となり、さらに味の香ばしさを引き立たせるものになったんです」

 結果的にこの大リニューアルは成功し、2017年には100億円を突破するブランドへと成長していったのである

冷凍売り場の中で存在感を高めたい

 コロナ禍で、在宅時間の増加や巣篭もり需要拡大が見られるなか、冷凍食品に対する消費者志向はどのように変わったのか。竹本氏は「簡便さ、美味さは当たり前で、さらなる付加価値が求められている」と述べる。

「コロナで外出がしづらく、自宅での内食機会が増えていますが、家でも美味しい食で満足したい、健康でありたいというニーズがあると考えています。また、冷凍食品で言えば、従来のお弁当向け以外にも、家での食卓にも出せるようなマルチに使える商品が求められるでしょう」

 冷凍食品に求められるニーズは、これからも時代とともに変化していくだろう。最後に竹本氏へ今後の展望について話を聞いた。

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