実話ベースの必見ドラマ&映画4選。『光のお父さん』から『新聞記者』まで
横浜流星が監督を投影したキャラクターに
【新聞記者/The Journalist】
出演:米倉涼子、綾野剛、横浜流星 他
監督・脚本:藤井道人
配信:Netflix
総理夫人が小学校の名誉校長を務める森友学園が、日本政府から異常とも言える好条件で開校を許可され、さらには国有地を格安で購入した。
つまり、「総理の関係者が優遇された」との疑惑が持たれたのだ。後に公文書の改ざんを指示された職員が自殺に追い込まれている。『新聞記者』は、実際にこの事件を追及したジャーナリスト・望月衣塑子の同名著書をモチーフにしている。
横浜流星演じる就活生・木下亮が良いスパイスになっている。新聞配達のアルバイトをする亮だったが、今時の若者らしく新聞を読まず、政治に関心を持っていなかった。しかし、事件の関係者になることで「政治は上が勝手にやっていること」という無責任なスタンスを改めていく。
実はこの亮は、同じく政治に無関心だった藤井道人監督を投影したキャラクターでもある。亮というフィルターを通すことで、政治を身近に感じることが出来るようになっているのだ。
1月13日に配信が始まってからずっとNetflix人気ランキングの上位を占めている作品だが、(これを書いている1月29日)現在、製作の経緯に問題があったのではないかと週刊文春が報道、作品そのものが事件になりかかっている。
コロンビアの麻薬王の迫力
【ナルコス】
出演:ワグネル・モウラ、ペドロ・パスカル、ボイド・ホルブルック 他
原作・制作:クリス・ブランカトー、カルロ・バーナード、ダグ・ミロ
配信:Netflix
アメリカ政府と麻薬密売人の戦いを描いたNetflixオリジナルドラマシリーズ『ナルコス』。2017年にスタートし、現在はシーズン1~3に加え新シリーズ『ナルコス:メキシコ編』がシーズン3まで配信される人気作だ。
魅力はぶっ飛んだ展開にある。数千人を死に追いやっているコロンビアの麻薬王パブロ・エスコバルが政治家として出馬したり、収監される刑務所を自分で建てたりとストーリーは荒唐無稽。これが事実に基づいて作られているというのだから驚きだ。ところどころで差し込まれる当時の写真や映像がリアリティを付け加えてくれる。
どう考えても極悪人のエスコバルだが、そのキレ者っぷりとたまに見せる人間らしさで魅力的な人物に仕上がっている。ともすれば、善人なのでは? と勘違いさせるほどだ。他にも様々な濃いキャラクターが登場し、長いシリーズを通して飽きさせない作品となっている。
<TEXT/ライター さわだ>