前澤友作氏創業の「養育費保証サービス」めぐり係争。“日本一稼ぐ弁護士”を相手に双方の主張は
前澤氏も一歩社の取締役を退任。しかし…
後の前澤氏の説明などによると、一歩社と大本は不法行為にあたらないよう議論を重ねていたものの、日弁連からの通達の余波や、サービス自体がうまく進まなかったこともあって、同年12月に両者が協力を解消。翌21年2月には前澤氏も一歩社の取締役を退任した。
前澤氏は「出資者という立場から、経営アドバイスを始めとする全面的なサポートを行っており、今後も継続的かつ積極的に事業に関与する」(同氏noteより抜粋)としている。
しかし問題はその後、大本に代わる形で、福永弁護士が代表の「ひとり親支援法律事務所」が一歩社と提携したことでこじれた。
その参入を問題視した山口氏が、前述「非弁行為」による大本の撤退などを引き合いに出し、福永氏がひとり親支援法律事務所の勤務弁護士を募集した際に「入所した弁護士は懲戒請求する」と警告。今回はそれに対して福永弁護士が業務妨害による損害を訴えたのだ。
「(今回の提訴は)脅しにしか思えない」
個人投資家として、カネボウなどの企業を相手取っての集団訴訟をおこなったことで知られる山口氏は、現在はYouTubeで著名インフルエンサーの名誉棄損事件などに関して考察して発信を続けている。
一方の福永弁護士は、インフルエンサー・はあちゅう氏、立花孝志氏、少年革命家ゆたぼんらの代理人を務め、『日本一稼ぐ弁護士の仕事術』の著書もある人物。最近は、はあちゅう氏の名誉棄損裁判のニュースなどで、たびたび名前を見る。
山口氏としては、以前から福永氏のSNS上での発言や、開示請求を濫発する行為などに警鐘を鳴らしており、実際に昨年には東京弁護士会に福永氏の懲戒請求をおこなっている。
今回の記者会見では、「原告(福永氏)の非行」を列記した資料まで補足として持参。会見後にも取材に応じ、「(今回の提訴は)脅しにしか思えない。違法が疑われる事業に関わった弁護士の懲戒請求をすることは弁護士法でも認められた正当な権利だ」と強調した。