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2歳児救出のスーパーボランティア78歳の名言録「梅干しは種も食べる」

コラム

 山口県周防大島町で行方不明になっていた2歳の藤本理稀(よしき)ちゃんを発見し、一躍時の人となった”スーパーボランティア”尾畠春夫さん(78)

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※画像はイメージです(以下同じ)

 行方不明から3日が過ぎ、誰もが希望を失いかけていた8月15日、尾畠さんは捜索活動に参加してわずか30分で理稀ちゃんを発見。以降、テレビから雑誌まであらゆるメディアの取材に応じ続けています。

 もはやトレードマークの赤い捻りはちまきに、弾ける笑顔、そして、飾らない豪快な人柄。年齢問わず見る者を惹きつける、この78歳。

 今回、bizSPA!編集部では、彼の名言をピックアップ、何がそこまで魅力的なのか、その理由を探ってみました。

※以下、太字強調はすべて尾畠さんの発言

「大臣が来ようが関係ない。罰を受けてもじかに家族に渡したかった」

※「Abema TIMES」(8.15)など

 今回の捜索活動で、尾畠さんの行動は常に家族優先でした。捜索前に理稀ちゃんの母親に「私が抱きしめて直にお渡しします」と約束していたといいます。

 発見後も、警察からの引き渡し要求に尾畠さんは首を縦に振らず、そのため当初の報道では「2歳児は、発見時に成人男性と一緒」と伝えられてしまい一瞬、「もしかして誘拐犯と一緒にいたのでは?」と勘違いされたほどでした。

 しかし報道陣に、尾畠さんは「大臣が来ようが関係ない。罰を受けてもじかに家族に渡したかった。警察が『渡してください』と来たけど、『イヤです』と言った」と、その動機を明かしています。

 実際、理稀ちゃんの顔を母親に見せた瞬間について、「お母さんはもう声が出なかったな。あの嬉しそうな顔は、一生焼き付いて離れんだろうな」と尾畠さんは振り返り、「人の命って重いから。尊い命が助かってよかった」と涙を浮かべました。

「梅干しの種は中身も食べます。無駄にしませんよ」

※フジテレビ「グッディ!」8月20日

 さまざまな被災地でのボランティア経験がある“スーパーボランティア”尾畠さん。マスコミの取材で明らかになったのは、経験に基づいた彼独特の“サバイバル術”でした。

自己完結、自己責任。怪我しても自己責任」「ボランティアは人を頼ったり、物をもらったりしちゃいけない」という考えのもと、絶対に現地調達せず、2週間分の食料を持ち込んでいるといいます。

 その中身はパックご飯、インスタントラーメン(塩・味噌・とんこつ味)、梅干し、せんべい・アメ。とくに「梅干しは種ごと食べる」と豪語しており、被災地での限られた環境下で、栄養を残さず摂取するための工夫が光ります。

 もちろん梅干しの種は大量に食べたり、人によっては体質に合わない場合もあるので、みなさんは要注意です。
 

「今の自分があるのは周りの人のおかげ、困っている人に手を差し伸べるのは当たり前」

※「日出広報 2011年6月号

 2011年、地元である大分県日出市広報誌の取材に、尾畠さんはこう答えています。まさしく、今のすべてのボランティアに伝えたい言葉でしょう。

 この取材当時は東日本大震災の発生直後。壊滅的な被害を受けた被災地、宮城県南三陸町に駆けつけた尾畠さんは、ボランティアとしてがれき撤去などの支援活動を行ったそうです。

 しかも自宅と被災地を往復するなど、長年にわたってボランティアを行い、その日数は合計で500日になるそうです。

 東日本大震災以外にも、2014年の広島土砂災害、2015年の東日本豪雨、2016年の熊本地震などにも赴き、車中泊しながら連日の作業に参加しています。
 

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