「QBハウス」は1200円カットでなぜ利益が出るのか。安さのカラクリを運営に聞いた
立地や設備面でも効率化の意識が
――言われてみれば時間の有効活用ですね。
宮城:コストでいうと、家賃は必ずかかるものです。QBハウスはシャンプー台が不要であることなどから、1店舗あたりの占有面積が狭く、立地も他のテナントが嫌うようなトイレ脇や出店の難しい遊休地が好立地となります。そのため家賃も比較的抑えられているのです。また店内設備も、一夜で組みあがる簡易的な家具にしており、表層のみ貼り替えての再利用も行っています。
――ランニングコストはいかがですか?
宮城:一般の理美容室なら、1名のお客様につき2回は行うであろうシャンプー&ドライを行わないことで、水道代&電気代が大きく異なります。また、電飾などによる過度な電気代も発生しないので抑えられていると思います。カット前にシャンプー、カットしてシャンプー&ドライは、本当に必要でしょうか。これまでもそこに疑問を感じていましたが、サステナビリティ、SDGsが意識される中で、皆さんの意識をひとつステップアップさせていただく機会かと思っています。
一般的な理美容店の3~4倍の経験が積める
――その他、安くサービスを済ませるために行っていることがあれば教えてください。
宮城:売上とは単価と客数のかけ算ですので、単価が確定しているQBハウスの場合、客数を上げる必要があります。客数を上げるには、集客力と回転率がカギとなりますので、顧客の生活導線上の目につくところへ出店し、来店された方をどんどんカットできる技術を持つことです。
――その技術向上のためにどんなことを行われていますか?
宮城:カット未経験の方やブランクがある方でもカットができるようになる研修制度を独自で開発し、現在は全国5拠点でロジスカットスクールとして運営しています。それ以外にもスタイル別の研修や店長育成研修などを通じた技術研修を実施したり、お客様からの声を現場に共有していき、日々ヘアカットクオリティを追求し続けています。
そもそも、どのようなことでも、回数をこなしていれば否応なしに鍛錬されていくものです。一般的な理美容店で1人のスタッフがカットするのは1日10名程度。QBハウスは30~40名ですので、3~4倍の経験が積めます。自ずとカット技術も向上していきますよね。