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ジャイアンかよ…オレ様上司の家族旅行にかり出され、悲惨な結果に

学び

「無能な上司とプライベートまで行動を共にしたくない」とは思う斉藤さんですが、その上司は中途半端に上に顔が効くので無下にはできないとか……。

モンスター

「家族旅行では決まって自分は運転手。車内では助手席に座った上司が、延々と中身のない仕事論や根性論を熱く語りまくるんです。恐らく僕に説教することで、妻や子供に仕事をしてデキる男アピールをしたいんでしょう。

 ただ、いつも全員爆睡。それほど家族内では威厳がないので、職場で他の部下たちや僕に対して、威張ることでプライドを保っているような気がします」

実家の墓参りを命じられて、ついに…

 家族に邪険にされているからといって、部下を奴隷扱いしていい理由にはなりません。

「百歩譲ってたまにアッシー(運転手)に使われるのはいいとしても、付き添いの旅費が全部自腹というのがなんともセコいなと……。ホテル代や交通費もワリカンで出させられて、途中のサービスエリアでのお茶代も『自分の分は自分で出せよ』と言われる始末。

 パシリにされるのは慣れてるんですが、『これで全員分のソフトクリーム買ってきて』と言われて小銭を見たら、きっちり家族分のお金しかなかった。妻や子どもたちも父親の無茶苦茶な振る舞いを注意することなく、当然のように僕を顎で使う。もう、全員がふてぶてしいジャイアンそのものですよ」

 ほかにも「俺たちの代わりに、みんなで実家(埼玉)の墓参りに行ってきてくれ」というお達しまで受け、完全に無料の代行屋と化していたり……。

「さすがにまったく仕事と関係ないので、その上司が苦手とするさらに上の役職の上司Bに相談したんです。そしたら僕以外にも、『自分の言う通りにしていれば目をかけてやる』と言われていた“奴隷”が数人いたらしく……。

 上司Bもさすがに呆れて、その電話は墓参り先でかけていたのですが、『もうそいつら置いてきちゃっていいよ』と言われました。ほかのやつらは上司の信者だったので、僕だけ電車でとっとと帰りました」

村八分にあっても懲りない上司の末路

 帰り道、「何勝手なことやってんだよ!」「ワン・フォー・オール オール・フォー・ワン(一人は皆のため、皆は一人のため)なんだぞ!」という謎のメッセージや鬼電の嵐にあったといいますが、すべて無視。

「事情を知った上司Bが旅館に直接電話をかけて、たっぷり締め上げてくれました。おかげで次の日から人が変わったように大人しくなりました。

 ただ、誰にも話しかけてもらえないのに、今も時々『俺と飲みたい奴ついてこ~い』と、一人ハイテンションで空回り。その姿を見ると、なんだかちょっと哀れですね」

 もちろん上司を慕う部下はゼロで、村八分状態だとか。裸の王様の成れの果てというか、モンスター上司の悲しい行く末なのかも知れません。

<取材・文/青山ゆか イラスト/zzz(ズズズ)@zzz_illust

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