コロナでも業績堅調の「アルペン」。冬スポーツではない“意外な稼ぎ頭”があった
このまま好調が続くかと思いきや…
アルペンとしてはこのまま業績アップを続けたいところですが、今期2022/6期の業績は芳しくないようです。第1四半期の売上高は526億円と前年比で10%近く落ち込み、営業利益は10.9億円の77%減、最終利益は8.5億円とこちらも75%減少しました。
緊急事態宣言の発令によって部活動やイベントが自粛となりスポーツ用品の販売が低調に。東京オリンピックが開催されたため一部ジャンルの商品が売上を伸ばしましたが、全体の減収幅を補えなかったようです。アウトドア用品も前年ほどの注目を浴びませんでした。ゴルフ関連だけは堅調に推移しています。
ゴルフ、アウトドア人気を取り込めるか
株価は業績とともにコロナ禍で大きく伸び、その後の反動で下落に転じています。2018/6は2300円台、2019/6は1500円台そして2020/6は1700円台と低調でしたが、その後の業績改善とアウトドア・スポーツ関連銘柄が注目され、2021/6には2900円台まで上昇しました。8月には3790円を記録します。しかし、その後は今期の業績悪化が影響し、2022年1月時点で2100円台にまで戻っています。
今後についてですがゴルフ関連では初心者向けのキャンペーンを続け、アウトドア関連ではオリジナル商品の販売を進めるようです。近年のゴルフ、アウトドア人気を取り込みたい思惑が見え隠れします。
利益面ではDX(デジタルトランスフォーメーション)を活用し、さらなる利益改善を目指すようです。具体的にはAIを活用した需要予測や倉庫システムにおける3Dロボットの導入などがあげられます。昨年2月に創業者が逮捕された不祥事も記憶に新しく、同社のマーケティング施策が売上にどう貢献するかは明らかにできません。
ただし新技術の活用は省人化や効率化につながるため、今後の費用圧縮に貢献し続けるでしょう。
<TEXT/経済ライター 山口伸>