日本エレキテル連合、ブレイク前後の葛藤と尊敬する「爆笑問題」への憧れ
バラエティ番組に馴染めない葛藤
――ブームが一段落してからの活動についてもお聞きしたいです。
中野:YouTubeの更新やライブの活動がメインです。私たちはバラエティ対応が全然できなくて、いまだにネタ以外の立ち振舞いが分からないので、地道にできることをやっています。
橋本:食レポも上手にできなかったね……。「美味しい」しか言えなくて(笑)。テレビで試食するコーナーがあったんですけど、中野さんの口にはちょっと合わなかったみたいで、一口食べて「わ~! 美味しい」って言いながらポケットに入れたんですよ。本当にビックリしました。
中野:素直過ぎるんですよね。受け付けないものは喉を通らない。他の出演者の方はプロ意識が凄くて、こんなパサパサのものを水分なしでよく食べられるなと思いましたね。
自分たちは面白くない
橋本:周りが本当にプロフェッショナルで、自分たちは上手にできなくて。
中野:その覚悟がなく芸能界に入ってきたので舐めてましたよね。
橋本:たまに鼻をほじってるシーンがあったりするんですよ。駄目だこりゃと思った(笑)。
中野:しばらくはものすごくコンプレックスがありました。でも最近は、逆にこんなに上手くなれないって才能なんじゃないかなって思うようにしています。皆さんは上手になっていくのに私たちは全く上手にならなかったので。浮くことって大事だなとポジティブに捉えています。良い意味で染まらない。
――2人は常々、自分たちは人間として面白くないとおっしゃっていますが、プライベートな部分をあまり発信しないのもそこに通じるんですか?
中野:橋本さんはそんなことないんですけど、私は本当につまらない人間なんです。自分に面白みをあまり感じていないのでキャラクターを演じるタイプなんです。
あと、私はケンカしちゃうんでSNSが向いていない。今はそんなことないですけど、Twitterが始まったばかりの頃は腹が立ったら「うるせえ」とか「バーカ」とか書いてたので、やらないほうが良いなと思って(笑)。プライベートも楽しいことが何もないんですよね。
橋本:そうだね。中野さんは時間があるときはずっと布団の上にいるから、SNSにも特に書くことがないというか。
中野:趣味もないですね。一度始めると、何でも極めちゃってしんどくなるんです。手芸を始めたときは、どんどん大作になって個展を開けるんじゃないかってくらい作っちゃいましたね。
<取材・文/ヨシナガ 撮影/山田耕司>
【日本エレキテル連合】
橋本小雪と中野聡子からなる2008年結成のお笑いコンビ。タイタン所属。「未亡人朱美ちゃん3号」のキャラクターが人気でテレビ出演が急増。2014年には新語流行語大賞の年間大賞を受賞。YouTubeチャンネル「感電パラレル」更新中