“M-1王者”錦鯉が語る、人生の転機と4万円の白スーツ「周りの目が違う気がした」
4万円のスーツ…ガワ(衣装)も重要
――M-1以前の錦鯉としての転機はありましたか?
長谷川:僕は単純に錦鯉結成の40歳ですね。隆に声かけてもらって。あそこから歯車が動き始めたと思っています。前のコンビを解散して、40歳という節目の歳でもあるし、辞め時かなというのも頭をよぎってはいたんです。そこで声をかけてもらって、もうちょっとやってみようかなと始めたので。あとはやっぱりスーツを今のものに変えたときですね。
――4万円の白スーツを購入したんですよね。意識も変わりますか?
長谷川:自分も変わりますけど、何より周りの目が違う気がしますね。漫才を見ようという。だからスーツじゃなくてもいいんですけど、ガワも大きい気がしますね。今思えば。
渡辺:俺がお金を貸したんだけどね。2着目は俺が出したし。
長谷川:そうだっけ?
タカトシ、ザコシ…芸人からの影響
――渡辺さんの転機は?
渡辺:錦鯉を始めたての時は「THE MANZAI」でも1回戦で落ちたりしてたんですけど、そこからネタをすごく作るようにして、2015年のM-1で準々決勝まで行ったときに、「あれ、行けるんじゃないか?」と思ったときですかね。その前くらいにスーツを作って、ライブをやりだして。
――この本の中にも先輩や同期の仲間などが登場しますが、これまでで自分に響いた言動などはありますか?
長谷川:去年、M-1の決勝が決まったときに、いろんな人から連絡をもらったんです。そのとき、「ここで人生が決まるんだから、気合いを入れなきゃダメだよ」と言う人がいて、それは逆にプレッシャーになっちゃってダメでした。でも、タカアンドトシのタカやハリウッドザコシショウが「楽しんでこいよ」と言ってくれて、すごくリラックスできました。
渡辺:僕の場合は具体的な言葉ではないんですが、今の事務所に入って以降、ハリウッドザコシショウさんとバイきんぐさんの2組を近くでずっと見ていて、絶対に手を抜かない姿を学んでいます。準備もそうだし、どんなにお客さんが少ない舞台でも全力で、自分がちゃんと実践できているか分かりませんけど、その姿勢はいつも響いています。