冬場に電気代が高くなる原因は?エアコンの効率的な使い方をダイキンに聞く
ここ最近、寒い日が続くようになってきた。 冬に欠かせないのはやはり「暖房」だ。毎年思うのが、冬場のほうがどうしても電気代が高くなってしまう。冬場の電気代を抑えつつ、快適に過ごす方法はあるのだろうか。
今回はダイキン工業株式会社広報グループの重政周之氏に、冬場の電気代を抑えるポイントや、効果的なエアコンの使い方、さらにお手入れ方法を聞いてみた。
気温と設定温度の差で電気代は高くなる
なぜ、夏場に比べて冬場のほうが、電気代が高くなるのか聞いてみたところ、「冬時期のほうが気温と設定温度の差が大きいため」と重政氏は言う。
「エアコンには『ヒートポンプ』と呼ばれる技術が使われています。冷房時は、部屋の中の熱を外に逃がす働きをし、暖房時は家の周りにある熱を持ち込む働きをしています。例えば、部屋の温度が35度の夏場に、エアコンの設定温度を28度にした場合、7度分の熱を外に逃がしてあげればいいのですが、冬場ではこの温度差がかなり大きくなります」
WHO(世界保健機関)では、日常生活を健康的に過ごすためには、温度を18度以上にすることを推奨しているという。
冬場は温度だけでなく湿度にも注意
「冬場ともなると、気温が氷点下になる地域も多く、そこから18度以上まで室温を上げようとすると、多くの熱を屋外から室内に運ばなければいけません。エアコンは空気中にある熱を暖房に使う省エネ性の高い暖房器具ですが、暖房運転時は冷房運転時と比べて より多くの熱を運ぶ必要があるため、結果として冷房運転時よりも電気代が高くなってしまいます」
いままでなんとなく使っていたエアコンだが、夏と冬で働き方が違うのは初耳だった。なお、冬場の室温はもちろんのこと、「湿度も重要だ」と重政氏は続ける。
「冬場は空気が乾燥しているので、湿度にも気を配ることも大切です。最適な湿度は40~60%だと言われています。40%を下回るとウイルスが活発になり、60%を超えるとカビやダニが繁殖しやすくなります。ちなみに、空気中に含まれる水分の量が同じでも、室温が高いほうが湿度計などに表示される湿度(相対湿度)は下がる性質があります。空気は温度が高いほうがより多くの水分を含むことができるためです。しっかり加湿して、適切な湿度を保っていただければと思います」