大手学習塾5社、業績で明暗くっきりのワケ。好調の早稲アカ、不調の明光義塾etc.
1)ナガセ:東進ハイスクールの企業
株式会社ナガセと聞いてもピンとこないと思いますが、バラエティ番組を中心にメディアで大活躍する林修氏のおかげで今では広く知られた「東進ハイスクール」を運営しています。
同社の事業セグメントは高校生部門、小中学生部門、スイミングスクール部門、ビジネススクール部門、その他部門に分かれますが、メインは「東進ハイスクール」や「早稲田塾」を運営する高校生部門と、「四谷大塚」などの小中学生部門です。ちなみに「東進衛星予備校」は同社のフランチャイズ校で、現在は1000校近くあります。決算資料によると近年の業績(18/3~21/3期)はおおむね横ばいのようです。
売上高:459億円→457億円→452億円→458億円
営業利益:52億円→27億円→46億円→46億円
オンライン授業を整備して持ち直す
近年は特に材料もなく、主要2事業で大きな変化も見られませんでした。センター試験(現:大学入学共通テスト)の受験者数も近年では横ばいなうえ、同社が直営で運営する塾・予備校も小さな校舎を各地に置くのではなく大規模校舎を主要な場所に設置する形式であるため、事業規模が拡大しませんでした。
2020/3期の減益は宣伝広告費や新たに始まった「大学入学共通テスト」に対応するための費用に起因します。そして2021/3期は前年比1.5%の増収とコロナ禍でも収益を確保できたようです。
2020年4、5月こそ減収となったものの、オンライン授業を整備したほか毎年の難関校合格者多数というブランドを有しているため通期では持ち直しました。コロナでも中学受験、大学受験が無くなるわけではないため必需性の高いビジネスといえます。ちなみにスイミングスクール事業は21%の減収です。