大手学習塾5社、業績で明暗くっきりのワケ。好調の早稲アカ、不調の明光義塾etc.
コロナ禍では小学校から大学まで休校措置やオンライン教育の導入、時差登校の実施など様々な対策を迫られました。もちろん生徒の密を防がなければならないのは学習塾業界も同様です。しかし学校は税金でまかなえますが、ビジネスで運営される学習塾は自前で整備しなければなりません。生徒数減少による減収も予想されます。
とはいえ、学習塾各社の業績を見てみると、一律不調なわけではなく好調な企業もあります。コロナ禍での明暗はどこで分かれたのでしょうか。まずは不調となった企業3社の業績を見ていきましょう。やはり生徒数減少が大きく影響しているようです。
1)リソー教育:学習塾「TOMAS」がメイン事業
リソー教育としての認知度は高くないかもしれませんが、学習塾「TOMAS」と聞けばわかる方も多いかと思います。TOMASは「個別なのに進学塾」を謳い文句とする首都圏の個別指導塾で、同社がメイン事業として展開しています。
他社は1対2や1対3の授業を提供するところもありますが、TOMASでは完全1対1のようです。そしてリソー教育は、TOMAS以外にもプロ社会人講師による家庭教師事業「名門会」や名門幼稚園・小学校受験の「伸芽会」などの事業を展開しています。決算資料によると近年の業績(2018/2~21/2期)は以下の通りです。
売上高:226億円→245億円→267億円→252億円
営業利益:22億円→26億円→27億円→10億円
マンツーマン指導が裏目に…
以前まで順調に拡大していましたが、コロナ禍の影響を大きく受けたことがわかります。2020/2期まではTOMASの新規校舎を増やしたほか、家庭教師事業、幼児教育事業が堅調に伸び全社売上高も増え続けました。しかし、コロナ禍の2021/2期は年度前半の生徒数減少が影響し、主力のTOMAS事業が1.5%の減収となりました。
特に影響が大きいのは名門会事業で、こちらの売上高は前年比7.7%減の47億円となっています。個別・家庭教師という密になりやすいビジネスの都合上、仕方ない結果ともいえるかもしれません。ですが、最新の2022/2期2Qはワクチン接種や前年の反動もあり、前年同期比で3割の増収となっています。