彼女の給料に頼った生活が恥ずかしい

　そのやさしさと純粋さに触れた蒲生さんは、比奈さんの給料に頼った生活をしている自分が恥ずかしいと感じるように。蒲生さんは、いつの間にか比奈さんのことを本気で好きになっていたのです。そして、比奈さんの笑顔を増やしたいと考えるようになりました。

「最初は1日3時間と短時間でしたが、アルバイトを開始。資格を取るための勉強をして、ジムにも通いはじめましたが、最初のうちは何度もやめようと思いました。でも、そのたびに比奈が励ましてくれたので、頑張れたんです」

　時間はかかったものの、だらしない生活も改善。遅刻や欠勤も減り、アルバイトから正社員に昇格し、いよいよプロポーズと意気込んでいたときでした。

衝撃の告白。彼女の「唯一の趣味」は？

　比奈さんから、衝撃の告白を受けたのです。

「比奈は真剣な顔で、『だらしない男性を真っ当な人間に矯正することが唯一の趣味で、そのためにマッチングアプリを利用していた』と言いました。最初は下手な冗談だと思っていたほどです。でも比奈は、表情を崩さず『秀平が真っ当な人間に近づきつつあるのは嬉しいけど、興味を失ってしまって…。ごめん』と言われました」

　そして、状況が呑み込めないままの蒲生さんをおいて出て行ったのです。持って行ったのがカバンひとつだったので、2～3日も経てば帰ってくるものだと思っていたとか。でも、比奈さんが帰ってくることはありませんでした。

「フラれたばかりの頃は何が起こったのか理解できず、悲しくて毎日のように酒に溺れていました。でも時間が経つにつれ、利用価値がなくなったらポイ捨てするあたりは、過去の自分が女性たちにしていたことと変わらないと思うようになり、これまでの自分のおこないを猛反省しました」