「モチベーションが生まれない仕事」がなぜ存在するのか?人気コンサルタントが教える真実
結果よりも大事なこととは?
ただし、「できそう」という場合、「いつもやっている」「簡単」と思えることには、モチベーションは生まれません。今までやったことはないけれど、「できるかも」「チャレンジしたい」と感じた時、モチベーションは生まれます。自分の頑張り次第でクリアできそうだけど、絶対にできる確信は持てない、“クリアできれば嬉しい”レベルです。
「頑張ればできるかも」という挑戦が、心のエネルギーになります。だから、簡単すぎても難しすぎても、モチベーションは生まれません。
アメリカの心理学者、M.チクセントミハイは、モチベーションが続く状態を「フロー」と名づけています。何かにハマっている状態です。「遊びの性格をもつ何かをしている時にこそ、最も楽しく、わくわくし、さらには有意義である体験が起こる」(M.チクセントミハイ著『フロー体験入門 ―― 楽しみと創造の心理学』世界思想社刊)と書いています。
フローは、たとえ「仕事がつまらない」「上司がバカで評価されない」などとくすぶっている人であっても、誰でも、どんな仕事でも生み出せます。フローは「目標が明確で、迅速なフィードバックがあり、そしてスキル(技能)とチャレンジ(挑戦)のバランスが取れたぎりぎりのところで活動している時」(同書)に、起きます。
結果よりも大事なこととは?
意欲がかき立てられると同時に、迅速なフィードバックや、すぐに結果が出ることも重要です。すぐに結果が出れば、「クリアできて嬉しい」とか「クリアできなくて残念」という気持ちになり、次のアクションにもつながります。クリアできればさらに次のステージに、クリアできなければ改めてチャレンジしようと思えるのです。
「すぐに結果」が出ないと、行なったことがよかったのかよくなかったのか、自分の努力がどの程度の結果につながったのかも分かりません。改善のしようもないため、それ以降の質を高めることもできません。
フローは「行動をコントロールできているという感覚を得、世界に全面的に一体化していると感じる」(同書)ものでもありますが、結果がすぐに出ないと、コントロールできている感覚も得られません。そのため、迅速なフィードバックが大切です。アクションが速くなり、仕事の質が高められます。行動をコントロールできている感覚も得られます。